やらまい勝っちゃん

聖隷浜松病院副院長兼総看護部長 勝原裕美子のブログ

「これからの「正義」の話をしよう」

(マイケル・サンデル著、鬼澤忍訳、早川書房, 2010年)

ご存じ、今年度一世を風靡している、サンデル先生のJUSTICE

倫理をテーマに研究を続け、
今は現場で倫理担当の長をさせていただいる者としては、
絶対お薦めしたい本です。

本の中の一つ一つの事例とその解説が、現場の事例や自らの生き方に結びつき、
私は何者なのか、私はぶれていないか、私はこれでいいのか といった
深い問いを呼び覚まし、真摯に考える時間をくれました。
(平成22年8月22日)

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by admin|2010年09月02日 18:31|コメント (0) トラックバック (0)

「微分・積分を知らずに経営を語るな」

(内山力著 PHP新書, 2009)

高校の数学は、ちっともわからなかった。
授業中、教科書を使わずにドリルだけをさせるY先生には、
本当に泣かされた。それで、文系しかないと思った。
でも、その8年後に看護大学を受けるときに、自分でコツコツ勉強したらわかるよになった。
それでも、苦手意識はあまり消えていない。

そんな私が手に取った本。
タイトルがそうさせた。

結構、おもしろかった。
知らず知らずにやっていたことが、微分・積分で説明できるんだって、楽しく読めた。
そんな本でした。
(平成22年8月13日)

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by admin|2010年09月02日 18:23|コメント (0) トラックバック (0)

「ポジティブな人だけがうまくいく 3:1の法則」

(バーバラ・フレドリクソン著、植木理恵監修、高橋由紀子訳、2010年)

このブログで、7月4日に紹介した Positivity (Barbara L. Fredrickson)著の翻訳が
さっそく出たので、すぐに購入して読んだ。
なんとなく、翻訳文章がとてもやさしいタッチなので、
英語で読む方が学術的で迫力があったが、
こういう良書が日本語で読めるようになったのは、嬉しいことだ。
コメントは7月4日分をご参照ください。

(2010年7月16日)

 

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「リーダーは自然体」

(増田弥生、金井壽宏著、光文社新書、2010年)

増田弥生さんは、
リコー → リーバイ・ストラウス社 → ナイキ → 現在フリー
という職務経歴を持つグローバル・リーダーシップのエキスパート。

そんな彼女のリコーでのスタートは、
きわめてフツーの日本企業の女性社員だった。
それが、英語はつたなくとも外資系企業で働くようになり、
やがてグローバル・リーダーシップにおいては、世界各国の名だたる企業から引っ張りだこになる。
経歴だけみると派手なようだが、
それぞれの会社で何を学び、何を感じ、どう次につなげていったかが
力強い言葉で語られており、非常に興味深く読み終えた。

(平成22年7月10日)

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「ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社」

(坂本光司、ダイヤモンド社、2010年)

よく存じ上げている先輩看護部長さんが送ってくださった本。

「会社は、人の幸せに貢献するためにある」と信じ、
採算よりも、社会に会社存在する意味を常に念頭におきながら経営を続ける
小規模な会社の話が8事例紹介されている。

心があたたまるし、ほっとするし、こういう会社もこういう経営者もああいいなって、
そう思える本です。
(2010年7月11日)

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by admin|2010年07月26日 20:57|コメント (0) トラックバック (0)

「チーム医療」の理念と現実

(細田満和子著 日本看護協会出版会 2003年)

チーム医療に関するシンポジウム(7月22日)に出るために、
その準備として読んだ。
これを読むと、チーム医療という概念がいつから使われ出したのか、
また、2000年当時のチーム医療の考え方がわかる。
社会学的アプローチだからおもしろい。
(平成22年7月8日)

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by admin|2010年07月26日 20:53|コメント (0) トラックバック (0)

「すべてのサービスは患者のために」

(レナード・L・ベリー、ケント・D・セルトマン、古川奈々子訳、マグロウヒル・エデュケーション、2009)

ミネソタ州、アリゾナ州、フロリダ州で医療を展開する
メイヨークリニックの歴史と伝説的なサービスのありようが紹介されている

原題は、Management Lessons from Mayo Clinic
つまり、メイヨークリニックから、マネジメントの教訓を学ぼう というもの。
各章の終わりには、「経営者のためのレッスン」コーナーがある。
たとえば、第7章では、
「私たちの組織が突然消えてしまったら、顧客は本当に残念がるだろうか」と問いかけられる。
もし、この答えがyesだったら、
さらに、「顧客が残念がるのは何を失ったことだろう」と問いかけられる。

さすがに、世界のメーヨー。
医療機関のマネジャーは必読です。
(平成22年7月4日)

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by admin|2010年07月04日 23:06|コメント (5) トラックバック (0)

「POSITIVITY」

(Barbara L. Fredrickson, Three Rivers Press, 2009)

生来、自分ではポジティブ思考だと思っているので、
本書を手にしたものの、
私にはあまり関係ないかなあなどと思い、未読図書コーナーに積んだままだった。

先週、腰痛で気分が滅入っていたときに、
そうだ、この本があったと思い出し、一気に読んだ。

筆者は、最近日本でも提唱されてきたポジティブ心理学の第一人者。
本書に記されているのは、ポジティブ思考でいることが身体的にも精神的にも
非常によい状態を作り出すという様々な実験結果であり、
数値だけでなく、たくさんの事例を通して、それらが説得力を持ったものとなっている。

Positivity を表すものは次の10個
  joy, gratitude, serenity, interest, hope, pride, amusement, inspiration, awe,
and love

巻末にPositibiti Self Testが掲載されている。
このテストによって、3対1の割合でポジティブなほうに傾いていることが、
人生を変えていくことにつながる。
どのようにポジティブ思考に変えるのかも書かれているので、
楽しく読める。
(平成22年6月27日)

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by admin|2010年07月04日 22:48|コメント (2) トラックバック (0)

「逝かない身体 -ALS的日常を生きる-」

 (川口有美子、医学書院、2009)

母親に、ALSの診断がくだったときから、看取りの瞬間までの間、
娘として、患者家族の代表として、
何を見、何を考え、何を選択し、どのように行動してきたかを
実に緻密に描写したノンフィクション。

洗練された文章力と話の展開の巧みさとで、どんどん惹きつけられ、一気に読んだ。
第41回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した作品。

著者紹介に記載されている生年月日は、私とまったく同じ。
同じ時代を日数を違えず同じだけ生きてきた者としても
興味深く読んだ。
(平成22年6月25日)

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by admin|2010年07月04日 22:36|コメント (0) トラックバック (0)

「経営戦略の思考法」

(沼上幹著、日本経済新聞社、2009年)

沼上先生の著書は、
いつも事例が多く引き合いにだされ、 そのうえで主題に沿った論旨が見事に展開されていくので、
とてもわかりやすい。

本書では、さまざまな戦略論に触れられており、
それらの考え方のエッセンスと課題が纏め上げられている。
組織戦略と聞くと難しいことのように思う人にも、ぜひおすすめ。

(2010年6月17日)

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by admin|2010年06月18日 00:07|コメント (0) トラックバック (0)

「記憶はウソをつく」

(榎本博明著、祥伝社新書、2009年)

偽の記憶が植えつけられたり、
自分では気づかないうちに記憶がすりかわったり。
そんな話がくり返し述べられている。

冤罪の被害がどうして生まれるのか。
そんな問いに答えてくれる。

(2010年6月11日)


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by admin|2010年06月18日 00:02|コメント (0) トラックバック (0)

「一の糸」

(有吉佐和子著、新潮社版、昭和49年)

昔読んだはずなのに、
文楽鑑賞をするようになり、三味線を習うようになってから読み返す本書は、
その中で繰り広げられる情景や、登場人物たちの所作を
よりビジュアルに想起させてくれた。

文楽の三味線弾きとその妻の生涯。
二人の激しくまっすぐな生き様が、
三味線の一の糸に響き渡る。
(2010年6月13日)

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by admin|2010年06月17日 23:52|コメント (0) トラックバック (0)

「社会的入院の研究」

(印南一路著、東洋経済新報社、2009年)

「社会的入院」は、当たり前に用いてきた言葉だが、
実は法令上の定義はない。
筆者は、社会的入院を不適切な入院と位置づけ、それには5つの類型があると説明する。
その説明内容といい、それらにまつわる実態調査といい、
実に論旨が明快で鋭く現状を射抜いている。
筆者自らの提案も散りばめられており、
この問題に関する思考の整理に非常に役立った。
(2010年5月6日)

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by admin|2010年05月30日 23:59|コメント (2) トラックバック (0)

「シンプリシティの法則」

(ジョン・マエダ著、鬼澤忍訳、東洋経済新報社、2008年)

ちょっと変わった本。
編集がおもしろい。

著者紹介には、
グラフィック・デザイナー、ビジュアル・アーティスト、コンピューター・サイエンティストとある。
そういう道の優れた人が、シンプリシティ(simplicity)についての10の法則を説いてくれる。
10の法則の一つ一つにアイコン様のマークがついており、
それが実にかわいいのだ。

片づけは苦手だが、
心の中では、いつもすっきりしていたいと思っている私には、
やっぱり、ちょっと変わった本だった。
(2010年5月8日)

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by admin|2010年05月30日 23:58|コメント (0) トラックバック (0)

「天国の扉」

(沢木冬吾著、角川文庫、2008)

 読んでいる途中から、不思議な感覚に陥った。
 読めば読むほど、以前同じようなストーリーを読んだような気になったのだ。
 単行本の初版が2006年だとはいえ、読んでいるはずはないのだが、 
 黒幕の存在が明らかになっても、驚かなかった。
 不思議だ。
 
 非常に売れた本なので、読まれた方も多いことと思う。
 多少、現実離れしたストーリーだが、
 だからこそ、のめりこんで読めるところがある。
(2010年5月15日)

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by admin|2010年05月30日 23:50|コメント (0) トラックバック (0)

「メガホリズム:組織に巣食う原罪」

(佐藤眞一、本多・ハワード素子、阪急コミュニケーションズ、2010)

著者たちは、
組織の一員になっていく過程で組織内のおかしなルールに染まり、そこで陥る病を
「メガホリズム(過組織症)」と名付けた。
そして、メガホリズムに陥った人びとを「メガホリック(過組織症患者)」と呼ぶ。

その病にかかるプロセスや、呈する症状や、処方箋などを、
リーマン・ショック、社会保険庁における一連の不祥事、JR西日本の脱線事故、
船場吉兆の偽装、大分県教育委員会による口利き、雪印の偽装、パロマの一酸化中毒事故などの
社会的に大きくとりあげられた問題に照らし合わせながら解説している。

社会の隙間にたくさん潜み、いつ症状を悪化させるかわからない問題への
さまざまな提言をしてくれる著者たちの取組みは、
組織倫理の問題をずっと研究し続けている一人として、ぜひ応援していきたいと思う。
(平成22年4月13日)

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by admin|2010年04月16日 17:28|コメント (0) トラックバック (0)

「人勢塾:ポジティブ心理学が人と組織を鍛える」

(金井壽宏 編・著、小学館 2010年)

著者の金井先生は、数年前から、ことあるごとに「ポジティブ心理学」について口にされていた。

しかし、そもそもポジティブ思考な私には、それほど身に迫った感じが無く、
そりゃあ、ネガティブよりポジティブな方がいいに決まっているんじゃないのかなあ、
くらいにとらえていた。

しかし、本書は、
一人のポジティブ思考ではなく、組織全体がポジティブになるためのヒントやその効果を
示してくれており、たいへん参考になった。

本書は、神戸大学大学院経営学研究科において著者が中心に立ち上げた「人勢塾」での模様を
紙面の許す範囲でライブに再現したものである。
国内におけるポジティブ心理学の理論構築や実践を豊かにするための取組みを続けていただき、
ぜひ、人勢塾の様子を、第2弾、第3弾で知らせていただきたいと感じた。
(平成22年4月11日)

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by admin|2010年04月16日 17:19|コメント (0) トラックバック (0)

「認知症看護入門」

(堀内園子、ライフサポート社、2008年)

著者の堀内さんには、昨日、看護部の研修に来ていただいた。
私はこの本の副題が好きだ。
「認知症看護入門:誠実さと笑いと確かな技術で包む世界」

堀内さんのお人柄や、看護に向き合う姿勢そのものが
この副題に表れている。

認知症に関する基本的な知識、
認知症の方への基本的な看護が、非常にわかりやすく、しっかり書かれている。

(平成22年3月23日)

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by admin|2010年03月25日 19:05|コメント (0) トラックバック (0)

「ペスト」

(カミュ、宮崎嶺雄訳、新潮出版 昭和44年、オリジナルは1947年)

アルジェリアのオランという市で発生したペスト。
封鎖された市の中で生きる人たちの様子や心情をつづった書。

医師、裁判官、神父、門番などが、
愛、生命、死、希望と絶望などを語る。

(平成22年3月14日)

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by admin|2010年03月25日 18:51|コメント (0) トラックバック (0)

「幕末に学ぶリーダーシップ」

(金井壽宏・山村竜也監修、2009年)

学生の頃、日本史は体育と並ぶくらいに得意だった。
でも、受験用に覚えた事は、
覚えた速度と同じくらいのスピードで忘れていくものだ。

今、幕末ブームと聞く。
必死で覚えた年号や人物の名前は、一部しか記憶に留まっていないが、
幕末を題材にしたテレビや資料から、思い出すこともある。

この本は、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通、勝海舟の生き方を
いわゆるリーダーシップ論に照らし合わせて解説されている。
自分もよく知る理論をとおして幕末をみると、
受験で覚えた幕末とはまた違って見えてくる。

(平成22年3月22日)

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by admin|2010年03月25日 18:32|コメント (0) トラックバック (0)

「グラッサー博士の選択理論:幸せな人間関係を築くために」

(ウィリアム・グラッサー著、柿谷正期訳、アチーブメント出版、2000)

選択理論=choice theory

自分の周囲には不愉快なこと、不幸なことだと思う現象が多々ある。
それらのほとんどは、人間関係にまつわることだ。
選択理論では、不幸と感じるのは自分がそう選択しているからだと説く。

人間関係において、相手をコントロールすることはできない。
できるのは、自分をコントロールすること。
過去に遡って不幸の原因を探っても何もならない。
現実にしか人は対応できない。

だから、どのように自分をコントロールするのか、また、どのように現実に対応するのかは
選択できるのだし、そのほうが幸せだという考えに立っている。

そういった考え方を、本書では理論編、実践編、応用編に分けて説明している。
ときどき、??と思う箇所もあるが、
概ね、選択理論を身につけた生き方をすれば、本当に楽だろうなと思える内容だった。
(平成22年2月21日)

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by admin|2010年02月22日 23:08|コメント (0) トラックバック (0)

「コミュニティを問いなおす」

(広井良典、ちくま新書、2009年)

コミュニティって、よく使う言葉だけれど、
私達にとって、どの範疇をいうのだろう?

本書は、そんな素朴な疑問を、一つずつ解いてくれる。
そして、コミュニティのとらえ方が異なれば、ケアが異なることを教えてくれる。

p.196には、持続可能な福祉都市のイメージが描かれている。
それが、とてもいい。夢にはしたくない。現実にしたいと思わせる、そんな構想だ。
(平成22年2月11日)

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by admin|2010年02月22日 22:58|コメント (0) トラックバック (0)

「楽園」上・下

(宮部みゆき、文春文庫、2010)

久しぶりに読んだミステリー。
怖かった。
なんだか、本当にありそうな話だったので。
(平成22年2月13日)

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by admin|2010年02月22日 22:50|コメント (0) トラックバック (0)

「しのびよる破局:生体の悲鳴が聞こえるか」

( 辺見庸、大月書店、2009年)

現代社会のありようを恥じ、罪とさえとらえる鋭い筆運び。
文章全体の構成の柱となっているカミュの『ペスト』は、
本書を読み終わると同時に本屋に入って購入した。

著者辺見庸の伝えたいこと、叫び、生き方が、
ひどく胸に響いた。

(2010年2月2日)

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by admin|2010年02月03日 20:38|コメント (0) トラックバック (0)

「まず、ルールを破れ:すぐれたマネジャーはここが違う」

(マーカス・バッキンガム&カート・コフマン、宮本喜一訳、日本経済新聞社、2000年)

 米国の調査会社ギャラップ社が25年間集積したデータをもとに書かれた本。
 10年前の翻訳本だが、優れた管理者がいかに組織の生産性に貢献するかが、
 具体的に書かれている。

 また、管理者や従業員への面接をするときの質問項目が掲載されており、
 それらを見るだけでも、有能な職員の考え方をこうすれば引き出せるのだなあと
 教えてくれる。
         (2010年2月2日)

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by admin|2010年02月03日 20:32|コメント (0) トラックバック (0)

「型破りのコーチング」

(平尾誠二、金井壽宏著、PHP新書、2010年)

リーダーシップ持論を説く金井先生と、
リーダーシップ持論を実践している平尾さんとの
対談集。
テンポがよくて読みやすいし、コーチングの実際がよくわかる。

2人の対談を、以前神戸大学で聴いたときに、
フロアーからの質問に立ったことがある。
そのときの私の質問内容も掲載されていて(p.8)、にんまり。
(2009年12月)

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by admin|2010年01月19日 22:58|コメント (0) トラックバック (0)

「部下力」

(吉田典生著 祥伝社 2005年)

上司を代えることはできなくても、上司との付き合い方を変えることはできる。
という前提で、
上司をいくつかのパターンにわけ、それぞれへの付き合い方を指南した著。

それらのパターンはいささか極端すぎていて、
実際にトップマネジメントをしている身にはぴんとこないところもあるが、
部下の立場になって読めば、きっとおもしろいのだろう。
(2009年12月)

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by admin|2010年01月19日 22:53|コメント (0) トラックバック (0)

『「いき」の構造』他2篇

(九鬼周造、岩波書店、1979)

小唄を習っていると、
粋(イキ)という言葉を、お師匠様からよく聞く。

粋な様、いきな感じ、イキに着付ける など・・・

なんとも、粋という言葉には憧れる。

そんな粋の構造を、もう90年近くも前に明らかにしようとした哲学者がいる。
(「いき」の構造 の底本は、昭和5年に刊行された単行本が用いられている)
文章には、読めない漢字がたくさんあり、
難解な言葉が羅列している箇所もあるが、
粋を明らかにしたいという筆者の凄みが感じられ、
それに引きずられるように読んだ。

「いき」の研究は民族的存在の解釈学としてのみ成立し得るのである(P.103) 
というフレーズなどは、
民俗学的研究とはなんぞやを、ほんの15年ほど前に学んだばかりの私には衝撃的だったし、
なぜ、縦縞や青色系統がいきに感じられるのか、といったことを
感覚ではなくて、ちゃんと説明がされていることに、いたく感動した。

(平成21年11月8日)

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by admin|2009年11月09日 23:20|コメント (0) トラックバック (0)

「リフレクティブ・マネジャー」

(中原淳・金井壽宏著 光文社新書、 2009)

学校教育ではなく、企業に入った社会人の教育に目を向けた教育学者(中原淳)と、
戦略論やマーケティング論ではなく、入社後のキャリア発達に注目している経営学者(金井壽宏)との共著。

両者が互いに問答するような形で本書は構成されている。
実践と理論とが飛び交い、
30代(中原)と50代(金井)の世代間の違いがやりとりの中で展開される。

両者による知性の相互刺激の様子が、読者にも伝わってくる。
一気に読んだ。おもしろい。

(平成21年11月3日)

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by admin|2009年11月09日 23:11|コメント (0) トラックバック (0)

「モンスター・ペイシェント:崩壊する医療現場」

(南俊秀著 角川SSC新書、2008年)

正直、日本語としての「モンスター・・・」という表現は好きではない。
それでも、週に何通か手元に届く院内暴力報告書を読んでいると、
ああ、本当にこういう人たちがいるのだなあと思う。

さて、本書の筆者は、救急医療の現場で実際に体験してきた事例を具体的に提示し、
患者に向き合う医療者の心理や、複雑な心境を表現している。
事実として、まさに現実として、このようなことが
病院の中で起きていることを社会に知らせることは必要だ。

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by admin|2009年11月09日 22:58|コメント (0) トラックバック (0)

「臨床の知とは何か」

(中村雄二郎、岩波書店、1992年)

今、執筆中の原稿のために、再読。
普遍性、論理性、客観性の3つの性質に立脚する近代科学を批判し、
リアリティをとらえるために必要な、生命現象と関係の相互性の重要性を説き、
臨床の知の姿を提唱している。

(平成21年9月23日)

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by admin|2009年09月23日 16:31|コメント (0) トラックバック (0)

「ムサシ」

(井上やすし、2009年、集英社)

巌流島での闘いは終わりではなかった・・・

佐々木小次郎はさらに剣を磨き、
6年後、宮本武蔵を探し当て、果たし状を渡す。

果たし合いの日時が訪れる前に、
人間の恨み、報復、虚栄心などのむごさ、はかなさが、
新たな舞台となった鎌倉の寺で示される。

今年、武蔵役を藤原竜也が、小次郎役を小栗旬が演じて評判を得た演劇の脚本。

印象に残ったフレーズは、
 宗矩 「・・・己のうちに三つの毒を持つ者は、たとえ相手がどんな極悪人であれ、彼を殺す資格がない。」
 沢庵 「その三つの毒とは?」
 宗矩 「欲張ること、怒ること、そして愚かなこと」  (p.125)

(平成21年9月20日)

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by admin|2009年09月23日 16:15|コメント (0) トラックバック (0)

「悪魔の呪文『誠意を示せ!』:悪質クレーマー撃退の50のポイント」

(深澤直之、東京法令出版、2007年)

今年度、院内暴力対策運営会議を立ち上げました。
その活動の一環として、
9月30日に職員向け講演会を開催するのですが、
著者は、その演者としてお招きする弁護士です。

主に、企業におけるクレームへの対処方法について述べられていますが、
病院としても、学ぶべきことがたくさん書かれています。
具体的にどうすればよいのかが記述されているので、
すぐに役立ちそうな本です。

(平成21年年9月5日)

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by admin|2009年09月13日 23:54|コメント (0) トラックバック (0)

「家族未満」

(向井亜紀、小学館、2007)

今週の木曜日と金曜日、
第35回日本診療情報管理学会学術大会が、
当院の院長、堺常雄を大会長として浜松で開催されます。

私は18日(金)に、
公開講座の座長をさせていただくのですが、
講演してくださるのは、向井亜紀さん。
テーマは、「がんと向き合う ~自分の身体と時間を大切に~」です。

向井亜紀さんのことは、
新聞等の報道で、その生き方や家族の持ち方について見聞していましたが、
座長を務めるにあたり、しっかり考え方を把握させていただこうと読ませていただいた本です。

がんにより、子宮の摘出を余儀なくされた女性が、
わが子を持ちたいという自然な願いの中で、
アメリカで代理出産という方法を選択するまでの経緯と、
その後の日本における法律の壁に、どう挑んできたのかが書かれています。

事実とそれに伴う感情の動きが、文字からでも十分伝わり、
胸につまされるような箇所が何度もありましたが、
現実の大変さは、想像を超えるものだったと思います。

どのような座長ぶりになるかはわかりませんが、
同年代の女性として、看護師として、副大会長として、
精一杯、務めさせていただこうと、あらためて思いました。

(平成21年9月5日)

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by admin|2009年09月13日 23:36|コメント (0) トラックバック (0)

「働きがいのある会社:日本におけるベスト25」

(Great Place to Work Institute Japan編、齋藤智文著、労務行政)2008年

Great Place to Work Institute (GPWI)は、
働きがいのある会社になるように、企業を支援している組織である。
参加企業を募り、ランキングにして「フォーチュン」誌にベスト100を掲載している。

GPWIの提唱するモデルは、以下のとおり。

「従業員が、勤務している会社や経営者・管理者を信頼し、
自分の仕事や商品・サービスに誇りを持ち、一緒に働いている仲間と連帯感の持てる会社」

”信用”、”尊敬”、”公正”、”誇り”、”連帯感 の5要素を中心に据えている。

これら5つの要素を高めるために努力している会社は、
従業員を一人の人間として大切にしている会社であり、
従業員の心を尊重した会社であって、
結果的に息の長い会社になっているという。

GPWIで高い評価を得た会社における従業員の声を読んでいると、
たしかにこういう会社で働きたいなあと思う。
2008年の「フォーチュン」誌ベスト100の業種をみると、13%は病院だ。
日本国内におけるGPWIの調査では、マイクロソフト(株)を筆頭に25社までが公開されているが、
病院は入っていない。

本書をくださった方からは、「GPTWに日本の病院初の挑戦を」という言葉を添えてもらったが、
まだまだその限りではない。
しかし、挑戦できないようなハードルの高さではない。
足下に及ぶくらいになるようにはしたいものだ。

(平成21年9月1日)

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by admin|2009年09月09日 20:23|コメント (0) トラックバック (0)

「その幸運は偶然ではないんです!」

(J.D.クランボルツ、A.S.レビン著、 花田光世、大木紀子、宮地夕紀子訳、ダイヤモンド社)2009年

キャリアデザインを考える上で、新しい考え方が数年前から紹介されている。
それは、「計画された偶然性」
その提唱者の一人でもあるクランボルツの著書が翻訳された。

幸運は偶然やってくるものでなく、ある種のスキルによって引き寄せられるという考え方のもと、
自分のキャリアにも幸運を引き寄せようというものだ。

たとえば、p.221より。
○将来何になるか、決める必要はない・・・環境や自分の目標は変わるものなので、常に目と心をオープンにしておくことの方が大事
○現実は、あなたが考える以上の選択肢を提供しているかもしれない
○いろいろな活動に参加して、好きなこと・嫌いなことを発見する

上記のようなことが、さまざまな事例を通して解説されている。
ちょっと落ち込み気味の人には、勇気をもらえる本かもしれない。

(平成21年9月9日)

 

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by admin|2009年09月09日 20:05|コメント (0) トラックバック (0)

「チーム・ダーウィン」

(熊平美香著、英治出版) 2008年

会社経営の建て直しにまつわるビジネス・ストーリー。

これまでの経営手法、考え方をすべて一新して
組織再生を推進しようとする一派と、
それとは異なる方法でなんとかしようとする一派とのせめぎあい。

結末は、最後まで読むまでも無く明らかだったが、
読んでしまったのでした。

(平成21年7月20日)

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by admin|2009年08月11日 00:10|コメント (0) トラックバック (0)

「12賢者と語る 和らぐ好奇心」

(石黒和義著、日経BP出版センター) 2009年

作家、大学教授、横綱、料理長、映画字幕翻訳者などの
オピニオンリーダー12名との対談集。

対談の後に、
それぞれの相手から感じ取ったことをエッセイ風にまとめているのがおもしろい。
たとえば、
作庭家重森千青氏との対談の後には、「原点」について。
映画字幕翻訳者戸田奈津子氏との対談後には「教養」について、といった具合。

そして、最後に12人から感じた印象を7つにまとめているのも、
なかなか興味深い。
その7つとは、次のとおり

○自然体である
○時流にかぶれない
○論理展開が明確である
○どんな話にもついていける教養にあふれている
○個人としてパワーがある
○フットワークが軽い
○基本的に明るい

(平成21年7月12日)

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by admin|2009年08月10日 23:55|コメント (0) トラックバック (0)

「ガン病棟」上巻・下巻

(ソルジェニーツィン著 小笠原豊樹訳 新潮文庫, 1971年)

手元にある上下巻は、紙が変色し古本の臭いがする。
第10刷で1975年に刷られたものだ。
当時からの紙カバーをつけてあるが、
そこに印刷されている有名な書店は、倒産して存在しない。

1975年は、祖父が胃がんで亡くなる前年にあたる年。
私は中学生。
もしかしたら、自分で買ったのではなく、母が購入したものかもしれない。
いずれにしても、2,3度読んだ本なのだが、
今になって読み返すと、いろいろなことに気づく。

当時のソビエト連邦にある病院の話なのに、
今、看護管理者として読むと、はっとする件が多いのだ。

たとえば、
「この病棟では、手術室勤務の看護婦を別にして、六十名の患者さんに日勤の看護婦は
三名です。夜勤は二名です。」(上巻p.11)

「患者に病名を教える義務は、私たちにはありません。
でも病名を聞いて気が楽になるなら申し上げましょう。リンパ肉腫です。」(上巻p.76)

「ベッドの回転率をよくする必要があるのだが、そのためには、
病状が必ず好転すると約束されていない患者を退院させなければならない。」(上巻p.91)

「制度そのものが無意味だったんだ。
無料だとなると、患者はなんでもかんでもやたらに薬を持ち帰って、
あとで半分以上捨ててしまうんだ。(中略)初診料を取ることは絶対に必要だ」(下巻p.196)

現在にも通じるような、医療制度・環境に関する課題がたくさん描写されている。

また、ノーベル賞作家であり亡命作家であり、
数奇な人生を歩んだソルジェニーツィンの「体制」への強い反発が感じられる。

(2009年7月18日)

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by admin|2009年08月10日 23:24|コメント (0) トラックバック (0)

「Helping: How to offer, give, and receive help」

(Edgar H. Schein, Berrett-Koehler Publishers, 2009)

組織心理学の権威であるシャインが、新書を出したのは聞いていた。
早くに購入したのに、なかなか読めずにいたが、
なんで、もっと早く読まなかったのか!
と思わざるをえない。

助けたいと思ってしたことが、余計なお世話だと思われる。
こんなに一生懸命助けているのに、なんで相手はわかってくれないのかともどかしくなる。
なぜ、相手の好意をうっとうしく思ってしまうのか。

こういったことは、親子、恋人、友人、職場など
人との関係性のなかで、誰もが経験したことがあるだろうう。
また、人を助けることを生業としている人たちなら、
クライエントとの関係の中で感じることがあるだろう。

なぜ、「ヘルプ」がヘルプにならないのか。
本書は、その日常の現象を、
組織コンサルタントとしての豊富な経験から生まれた考え方や技術から、解きほぐしてくれる。

英語は、テキストブック調で難解な表現がなくて、きわめて読みやすい。
事例も豊富なので、理解しやすい。

是非、皆さんに、
少なくとも医師、看護師、弁護士、カウンセラー、教員などを含むすべての援助専門職には
読んで欲しい本だ。
と書きたいが、英語なのでちょっと・・・という方に吉報。

本書を薦めてくださった金井壽宏先生情報にて、
翻訳本が出るとの事。
タイトルの訳に、援助を使うか支援を使うか悩まれているとお聞きしたが、
さてどのような日本語版の顔になって本屋に並ぶことだろうか。
もう、まもなくと聞く。
(2009年6月17日)

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by admin|2009年06月21日 15:55|コメント (3) トラックバック (0)

「夫が認知症になった」

(山口貴美子著、ライフサポート社) 2009年

要介護1から始まり、要介護4にいたるまで、
夫の認知症の進行を見守ってきた筆者のエッセイ。もしくは、、記録。

飾ることのない自然な文章で、
夫の認知症の症状が進んでいくことを追い、
その時々での自分の心情をつづっている。
また、夫や夫の周囲の人たちを通してさまざまな人間の生き方に触れたことや、
自分自身も思いがけずボランティア活動に入っていった過程などにも言及し、
新たな発見や気づきを得たことに感謝する言葉が散りばめられている。

さりげなく読んでほしい本だ。
病院の図書コーナーに置いておこうと思う。
(平成21年6月2日)

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by admin|2009年06月02日 23:48|コメント (0) トラックバック (0)

「ファシリテーター甦る組織」

(芦崎 治著、幻冬舎) 2009年

ファシリテーションとは何なのか。
どういう機能を持つのか。

本書は、
コンサルタントが、実際にファシリテーションする様子を小説仕立てで描いており、
煮詰まった場面を和らげる手法、
険悪な状態に間をとる時間の使い方、
など、通常の会議やグループワークなどでファシリテーションをするときにも
きわめて役立つノウハウが満載されている。

あの「株式会社ピープルフォーカス・コンサルティング」がモデルになっているというから、
本当におもしろい。
(平成21年5月19日)

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by admin|2009年05月31日 20:55|コメント (0) トラックバック (0)

「NHK「トップランナー」仕事がもっと面白くなる「プロ論」30」

(NHK「トップランナー」製作班編、三笠書房)、2009年

今、大河ドラマで活躍中の妻夫木聡、
数日前に世界ランキング1位になったと報じられたフェンシング選手の太田雄夫、
ジャズシンガーの綾戸智恵、
北京オリンピックで有終の美を飾った陸上選手の朝原宣治、
漫画家のさくらももこ

など、30人のトップランナーの言葉が散りばめられている。

トップランナーだからといって、
ものすごく特別な言葉ではなく、
普通の人にも伝わる言葉ばかりだから、
なおのことトップランナーとしてのすごさが感じられる。
(平成21年5月20日)

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by admin|2009年05月31日 20:46|コメント (0) トラックバック (0)

「世界でもっとも美しい10の科学実験」

(ロバート・P・クリース著、青木薫訳、日経BP社) 2006年

哲学と科学史を専門とする著者が、
「もしも実験が美しいと言えるなら、それは実験にとって何を意味するのだろうか?
もしも実験に美があるなら、それは美にとって何を意味するのだろうか?」(P.12)
という問題提起を掲げて取り組んだ書。

10の実験は、筆者がコラムを担当している雑誌の読者に
一番美しいと思う実験を挙げてもらい、
300以上の中から最も多かった順で選ばれている。

地球の外周の長さの測定
プリズムを使った太陽光の分解
フーコーの振り子
原子核の発見

などが解説されているのだが、
エピソードが混じり、図が入り、
理科や物理には滅法弱かった私にも興味を持てる。

また、それぞれの実験の解説の後には、
なぜそれが美しいのかという、筆者の見解が述べられており、
実験をまるで絵画鑑賞のように扱っていて、わくわくした。

なお、筆者は、美しい科学実験を
○深さ(基本的であること)
○経済性(効率的であること)
○決定的であること
としている。
(2009年4月30日)

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by admin|2009年05月31日 20:32|コメント (0) トラックバック (0)

「明るい医療現場改革」

(麻生泰 編著、日本経済新聞出版社)2009年

筆者は医療者ではないが、
企業社長の経験を活かし、地域を愛する者として
飯塚病院の経営をどのように行っているのかについて述べている。

組織内で実際に自身がどのような動きをしているのか、
また、どのように組織を動かしているのかが
非常に具体的にわかりやすく述べられており、
共感する箇所がたくさんあったし、
災害時の緊急体制にアクションカードを利用していることなど、
参考になる取り組みもたくさんあった。
(平成21年5月20日)

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by admin|2009年05月31日 20:07|コメント (0) トラックバック (0)

「「みんなの意見」は案外正しい」

(ジェームズ・スロウィキー著、小高尚子訳、2006年)、角川書店

アービング・ジャニスによる「集団浅慮」という概念は、
人間は、一人だとしっかり考えるのに、
集団になると深く考えずに結論を急いでしまうことを説明したものだ。

本書は、ジャニスとは異なり、
優れた一人の人よりも、むしろ集団の方がまともな判断を下していることがある
ということに着目し、次の3点に絞った議論を展開している。

1.「認知」・・・時期がくれば明確に答えが出るとわかっていること
2.「調整」・・・他の多くの人たちが同じ行動をとる中で、自分はどうすべきかを考えるようなこと
3.「協調」・・・自分のことだけを考えれば選択しないような選択肢を集団が選択するようなこと

事例が豊富で、そうかそうかと思わせる。
人間は、知性を持った動物であることを改めて感じさせる。
(平成21年2月12日)

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by admin|2009年05月31日 19:23|コメント (0) トラックバック (0)

「看護の危機と未来」

(川島みどり著、ライフサポート社)、2009年

本書は、
川島先生の、
①長い看護師としての臨床経験、
②家族の看護を通して改めて感じる看護の危機
③大学教員としてこれからの人に伝えたいこと
が、短い文章に集約されている。

TE-ARTE という言葉が、
川島先生のおっしゃるように、世界中で広がることに協力したいと思う。
(平成21年5月17日)

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by admin|2009年05月31日 19:17|コメント (0) トラックバック (0)

「洋菓子の経営学」

(森元伸枝著、プレジデント社)、2009年
副題は、「神戸スウィーツ」に学ぶ地場産業育成の戦略

神戸に13年間住んでいました。
神戸で多いのは、美容院、ケーキ屋さん、パン屋さんです。
私の住んでいた六甲道は、
街角ごとにケーキ屋さんと美容院が並んでいるといっても過言ではありません。
ケーキ屋はどこも美味しく、安価です。
ときどき、大阪の百貨店なんかで、
ケーキが1カット500円以上もするのをみて、たまげていたもんです。

本書は、
どうして、神戸スイーツが地場産業として成長を続けているのかを
インタビューや文献などを通して研究的に明らかにしている。

明らかになったことは、次の3点。
①職人を育てる仕組み 
②よい食材を開発し供給する支援産業
③顧客の厳しい舌
これらが、どのように機能しているのか。

ケーキ好きの人には、是非、読んでいただきたい。
きっと、神戸のケーキを食べたくなりますよ。
(平成21年5月17日)

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by admin|2009年05月31日 19:07|コメント (0) トラックバック (0)

「深海のYrr」 上、中、下

(フランク・シェッツィング、北川和代訳、早川書房) 2008年

文庫本で、各冊(全3冊)550ページほどもある、大長編小説。
ある日、突然、海洋に不思議な現象が続いた。
地球存亡の危機に、世界中の科学者が立ち向かうというストーリー。

ハワイの休日で、ずっとこれを読んでいた。
表紙が3冊とも同じなので、
パット先生は、「裕美子は、3日間も4日間も同じ本をずーっと読んでいる」
と思っていたかもしれない。

最初は、冗長的に感じ、早くストーリーを展開してくれーと思ったが、
最後はいろいろつながり、ぐぐーとはいっていったのでした。

環境保全の問題、科学技術の問題、人の権力欲・征服欲の問題など
いろいろなことを考えさせられます。
すごく多くの資料・データに基づく作品だということが、
巻末に掲載されている謝辞のリストとその内容をみればよくわかります。
(2009年 5月10日)

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by admin|2009年05月21日 17:56|コメント (0) トラックバック (0)

「一日一生」

(酒井雄哉、朝日新書)、2008年

何も言わず、ただ読んでください。

以前、「ただ自然に 比叡山・千日回峯行 酒井雄哉画賛集」を読んだことがありますが、
そのときの感動がまた、静かに訪れました。
(平成21年4月24日)

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by admin|2009年04月26日 23:56|コメント (0) トラックバック (0)

「儀式は何の役に立つか」

(マイケル・S-Y・チウェ著、安田雪訳、新曜社)、2003年

本書のテーマは、「協調問題」
協調問題とは、他の人々が同じように参加する限りにおいて、
自分も集団の行動に参加したいと思うこと(P.1)をいう。

なぜ、人は協調行動をとる(とれる)のか。
それは、あるメッセージや知識が他の人も知っているということを
自分が知っているという「共通知識」のメカニズムが働くからだというのが
本書の機軸になる考え方だ。

難しい話だけでなく、
コマーシャルの効果、一望監視刑務所のデザイン、などの
わかりやすい例を示して概説してくれる。

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by admin|2009年04月26日 23:34|コメント (0) トラックバック (0)

「俺は、中小企業のおやじ」

(鈴木修、日本経済新聞出版社)、2009年

浜松に来てすぐ、「オサムさん」という言葉を公式の会議でも耳にすることがあった。
誰のことかと思っていたが、
本書の著者であるスズキ自動車(本社:浜松)の代表取締役会長兼社長のことだとわかるには
それほど時間はかからなかった。

トヨタやホンダが近接するこの浜松に
スズキがどのように力をつけてきたのかを、
オサムさん’Sポリシーあふれる語りで教えてくれる。

自動車業界最大の危機を迎えている今の時代、
「命或るかぎりスズキを引っ張り続けるという覚悟です」(P.242)
という、78歳社長の言葉が、読者を元気にさせる。

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by admin|2009年04月26日 23:23|コメント (0) トラックバック (0)

「人類の星の時間」

(シュテファン・ツヴァイク, 片山敏彦訳)みすずライブラリー 1996年(1961年発刊の全集の再版)

太平洋の発見(1513年)、ラ・マルセイエーズの作曲(1792年)、黄金郷の発見(1848年)、
ウォーターローの戦いにおけるグルシーの決断(1815年)など、今に至る人類の歴史において
多大な影響を及ぼした12の「星の時間」が描かれている。

星の時間とは、
「時間を超えてつづく決定が、或る一定の日附の中に、或るひとときの中に、
しばしばただ一分間の中に圧縮されるそんな劇的な緊密の時間、
運命を孕むそんな時間は、個人の一生の中でも歴史の径路の中でも稀にしかない」
(P.2)
と表現されている。

ツヴァイクは、1942年に没しているのだが、
彼のとらえた星の時間が、半世紀以上経ってもなお新鮮なのに驚かされる。

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by admin|2009年04月26日 22:50|コメント (0) トラックバック (0)

「過剰管理の処方箋」

(金井壽宏・岸良裕司著、かんき出版、2009年)

本書を読んで、なんで気づいていなかったのか!と思わされたのは、
「心配」と「心配り」は、「は」という一文字あるかないかなのに
えらくその響きも意味合いも異なるということです。

本書には、”心配菌”という常在菌が出てきます。
ひとに心配りをうながす存在としてプロジェクトの成功には欠かせない菌ですが、
プロジェクトの失敗が繰り返されると、
異常増殖して「過剰心配菌」になってしまいます。

また、心配りをしすぎるきまじめな人が、
過剰な心配をしすぎると、心配菌は「ブラック心配菌」に変異し、
よかれと思ってすることが、どんどん裏目に出てしまいます。

そんなブラック心配菌を、元の心配菌に戻すための処方箋が書かれた本です。
表紙の黄色がかわいらしいです。

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by admin|2009年03月03日 12:23|コメント (2) トラックバック (0)

「リーダーシップの真髄:リーダーにとって最も大切なこと」

(マックス・デプリー著、福原義春監修訳、経済界, 1999年)

「リーダーが最初になすべきことは、現実を見極めること。
そして、最後になずべきことは、ありがとうと言うこと。
その間のさまざまな責任を果たすにあたり、
リーダーは奉仕する人となり、責務を負う人となる。」(p.30)

優れたリーダーを表現するのはこれで十分だと記されているが、
本当に真髄をついた言葉だと思う。
本書の原題は、Leadership is an Art
Artを真髄と訳したのがすごい。

本書の最後には、
次世代を育てるための問い、本社ビルを新築するための問いなど、
「次」を考えるための問いが載っており、これらがいい。
(平成21年3月1日)

 

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by admin|2009年03月01日 21:36|コメント (0) トラックバック (0)

「フロー体験とグットビジネス:仕事と生きがい」

(M.チクセントミハイ著、大森弘監訳 世界思想社)2008年

原本(Good  Business: Leadership, flow, and the making of meaning)を読んだのは、
2004年。
最初のほうは、たくさんの書き込みの跡があるが、
最後のほうは、流し読みだったらしく、アンダーラインしか残っていない。
翻訳が出ていたとはまったく知らなかった。

良書が翻訳で出るのはありがたい。
じっくり読もうと思ったが、
やっぱり最初から3分の2くらいに付箋がたくさんついた。

本書に先立ち、
ハーバード大学のハワード・ガードナー、スタンフォード大学のウィリアム・デーモン、そして本書の著者であるチクセントミハイの3人が始めたGood Work Projectがさまざまな成果を上げている。
3人の共著であるGood Workという著書を、随分前にサンフランシスコ空港で手にしたのが
このプロジェクトを知る発端だった。
本書は、そのプロジェクトの延長線上にある。

「ビジネスの成功とより広い社会的な目標にたいする責任のために、
仲間に感銘を与えてきたリーダーがどのように仕事を進めているのか、
すなわち、どんな志をもってやる気を起こし、
理想を追求してどのような組織を発展させようとしているのか」(p.5)
を探ることが、本書の目的だとされている。

多くの人々の、生のインタビューデータから、
自組織や今の時代だけを考えるのではなく、それらを越え、
組織やビジネスが社会に何ができるのか、
価値ある存在であり続けることがどういうことかを考えさせられる。

利己心をもたず、成功へのすさまじい願望をもつ明確なビジョンをもつリーダーの
5つの共通する特徴(p.198)は、次のようだ。

1.かぎりない楽観主義(人類の幸福を考える。人には人生という舞台で演じるべき重要な役割があるという信念)
2.誠実さが重要だという強い信念
3.志の高さ(粘り強さと対になり、困難を切り抜ける)
4.好奇心と学ぶ意欲
5.他者に対する共感と互いに尊重する気持ち

これらの特徴は、the soul of business, 「ビジネスの魂」という章に出てくる。
その「魂」というのがいい。
魂がないリーダーには誰もついていかない。
(平成21年2月28日)

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by admin|2009年03月01日 20:27|コメント (0) トラックバック (0)

「リーダーシップ論」

(ジョン・P・コッター著、黒田由貴子監訳、ダイヤモンド社、1999)

本書は、1970年代から90年代かけて、コッターが著した論文を集めたものだ。
コッターの論文はいくつか読んできたが、
今あらためて日本語でまとめて読むと、
普遍的な課題をきちんと整理されているなあと思う。

一番そう思うのは、
「リーダーシップ」と「マネジャー」との違いを明確にしていること。

今でこそ、両者の違いは公然と語られるようになったが、
当時は両者の概念が混在していて、区別するのはたいへんだっただろうと思う。
マネジメントの役割は、
「複雑な環境にうまく対処すること」
他方、リーダーシップとは、
「変革を成し遂げる力量」(p.49)だと言い切っている。

また、「変革を乗り切る8段階」は、
現在にも十分通じる警告だと感じた、

良書は、何度読んでも、読むたびに考えが深まる。
(平成21年2月22日)

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by admin|2009年02月23日 00:03|コメント (2) トラックバック (0)

「群集心理」

(ギュスターヴ・ル・ボン、櫻井成夫訳、講談社学術文庫) 1993年

この古典的名著は、1895年に初版が刊行されている。
今から100年以上も前のことだ。
フランス革命やナポレオンへの言及が多いのもうなづける。

心理学的に群集の精神をとらえようとした本書は、
表現が過激であったり、偏見ではないかと思わせたりする件をたくさん抱えていて、
ちょっと眉をしかめたくなるような箇所もたくさんある。
その一方で、
「集団力学」「組織の成長」「リーダーシップ」などと呼ばれている最近の考え方に
きわめて似たような記述もみられて、非常に興味深く読んだ。

たとえば、
○群集に思想や信念を染み込ませるために、
群集の指導者は断言(簡潔に言い切る)、反復(断言を繰り返す)、感染の3つの要素を必要とする
といったことは、「理念の浸透」や「リーダーシップ」で言われていることと似ている。
○群集は暗示を受けやすく、物事を軽々しく信じる性質があるとか、
群集になると、個人でいるよりも愚かであり合理性を失うといったことは、
「集団の意思決定」「集団力学」などで学ぶことである。

時代は変わっても、人間ってさほど変わらずに愚かであり、賢くもあるのだなあと
思わされた。 
(平成21年1月31日)

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by admin|2009年01月31日 23:04|コメント (0) トラックバック (0)

「納棺夫日記 増補改定版」

(青木新門 文藝春秋) 1996年

映画「おくりびと」を絶賛してから、数ヶ月経つ。
先日、その「おくりびと」が、
第81回米国アカデミー賞外国語映画賞部門にノミネートされたという素晴らしいニュースを聞いた。

ああ、やっぱり・・・という思いで、
「おくりびと」の原作ともいわれる本書を読んだ。

青木という著者が、
なぜ納棺夫という仕事をいとおしむように自然体で行えているのか、
不思議に思っていたが、その疑問が明らかにされた。
それは、筆者が8歳のときのこと。
旧満州で実の弟の死体を石炭の上に置かざるをえなかったことに端を発する。
そんな幼いときから、「死」の不条理と条理とを必死にわかろうとしてきたのだと思う。

なんと人の生き方とは苦しく、尊いものか。
そう感じながら読み終えた。
(平成21年1月29日)

 

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by admin|2009年01月29日 22:31|コメント (4) トラックバック (0)

「サーバントリーダーシップ」

(ロバート・K・グリーンリーフ著 金井壽宏監訳、金井真弓訳、英治出版、2008)

サーバント・リーダーシップとうい言葉を最初に耳にしたのは、
もう10年以上も前のことになる。
リーダーシップ研究の第一人者である神戸大学の金井壽宏教授から
最初にこの概念を紹介されたとき、
我々看護職が基礎教育で大事だと学ぶ内容とぴったり一致するという
感想を述べた記憶がある。

かつて金井先生がスライドにされていた
サーバントリーダーの10の属性(グリーンリーフセンター長を務めたスピアーズが整理したもの)が、
本書の監訳者解説573-574にも掲載されているので、紹介しよう。

1.傾聴
2.共感
3.癒し
4.気づき
5.説得
6.概念化
7.先見力・予見力
8.執事役
9.人々の成長に関わる
10.コミュニティ作り

サーバント(奉仕者・召使)という概念と、いわゆるリーダーシップの考え方とは
相容れないように思われる。
それを、グリーンリーフは次のように整理する。

「そもそもサーバントである人は、他人が最も必要としているものを与えるために、
相手の立場で考え、相手の気持ちを推しはかる能力に磨きをかけることが多い。
一方、そもそもリーダーである人は、あとになって良心の呵責から、あるいは一般的な期待に沿って
奉仕する。」(p.55)

奉仕という言葉が、我々の文化の中ではとってつけたような響きをもってしまうが
解説を含めて570ページにも及ぶ本書を読むと
私たちのそばにありながらも、壮大で崇高で、深く尊い考え方であることがわかる。

グリーンリーフは、
「生まれつきサーバントとしての素質を持つ人に、
人を導く権限が与えられるべきです。(中略)
生まれつきサーバントの素質を持つ人々が、
いっそう努力することで組織の型が作られるのです」(p.386)と述べる。

この言葉をよくかみ締め、
サーバントリーダーが組織内で埋もれてしまわないようにしないといけないし、
サーバントリーダーを育てなければならないし、
自らのリーダーシップのあり方をよく考えなければならないと
そんなことを感じさせられた一冊であった。

(平成21年1月24日)


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by admin|2009年01月24日 20:27|コメント (0) トラックバック (0)

「看護管理者の教科書」

(永池京子、米本倉基著、日総研)2008年

本書の推薦文を依頼され、読ませていただいた。
よく似た本、テキストは他社からも出ているが、
本書は用語の説明なども丁寧でわかりやすいと感じた。

看護部の経営参画がクローズアップされて久しい。しかし、経営参画のイメージは十人十色であろう。本書は、経営学をベースに、経営参画に必要な人的資源管理に関する基本概念を網羅しているため、読み進めるうちにイメージが具体的になっていく。コラムや欄外の用語説明などが本文を紐解いてくれている上、図表が効果的に使われていて、視覚的にも概念をとらえやすい。読者にやさしい看護管理の教科書だと言えよう」

(2008年11月)

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by admin|2009年01月07日 20:00|コメント (0) トラックバック (0)

「夢をかなえるゾウ」

(水野敬也、2008)飛鳥新社

えらいおもしろい本でした。
テレビドラマの方で先に知っったんですけど、
そのおもしろさに、毎回録画してみてました。
ガネーシャ最高!

放映も終わり、
遅まきながら本を買って一気に読んだんですけど、
期待にたがわず、ええ本でした。

さてさて、
この本は、ガネーシャという神さんがいろんな課題を人間に出します。
それを一生懸命こなすことで、その人間が少しずつ変わっていく様子が
描かれてるんです。

ガネーシャはなぜか関西弁でしゃべるんですけど、
その言葉がそのまま関西弁で記述されてるんです。
私のような関西人が読んだら、むちゃおもしろいんですけど、
関西人以外の人が読んでわかるんかなあと思うようなことまで
関西弁で書かれてます。

まあ、大ベストセラーになったわけですから、
関西弁がわかるかどうか、私が気にする必要はまったくないんでしょうけど。

この本は、
結局、変わりたかったら頭で考えてんと、とにかくまず行動してみいやということを
メッセージとして伝えています。
そうせな、なんも次の道は開かれへんよ、何にも変わらへんよ、
とういことを言うてます。

これって、キャリア論でいうところの
planned happenstance theory、「計画された偶然性」につながる話やと思います。
キャリア・デザインを完璧にするのは難しいなと思う人は、
いろんなことに好奇心をもって、リスクテイクしながらまずは
何でもチャンスや思て、踏み入れてみたらええやんか。
そこで展開されることは、決して偶然やのうて、
実は、そういうマインドや心意気のある人のために、用意されてたことかもしれへんってことです。

とういことで、
年末に、ああ、ええ本やなあという本を読めたのはよかったと思てます。

さて、関西弁のこのブログは、最後まで読んでもらえたやろか。

(2008年12月28日)

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by admin|2008年12月30日 21:33|コメント (0) トラックバック (0)

「マグネット・ホスピタル入門」

(桑原美弥子著、ライフサポート社)、2008年11月

マグネット・ホスピタルの呼称は、
日本では医師が集まる病院の代名詞として使われることが多いのですが、
そのルーツはアメリカの看護界にあります。

その歴史と現状を詳しく記した本が出ました。
裏表紙に載せる推薦文を頼まれて書いたので、
それをそのまま載せます。

 「米国のマグネットホスピタルは、看護師不足が深刻化する中でも看護師が集まってくる病院の特徴を明らかにし、組織作りに役立てようとしたことに端を発する。その後、「看護の卓越性(Nursing Excellence)」を具現化する模範的な存在として位置づいてきた。日本でもその名が知られることとなったが、「マグネット」という言葉だけが先行し、認定機関の構造変化や認定審査プロセスなどの実態についてはほとんど関心が寄せられてこなかった。
本書は、マグネット施設認定に関する正確な情報を日本語で読める唯一の書である。認定に向かって何がどのように評価されるのかがよくわかる。日本の看護がもう一段高い質をめざすために必要な指標を明示してくれていてありがたい。それだけでなく、所々に著者自身の米国でのインタビュー内容が散りばめられており、翻訳だけでは感じられないリアリティが伝わってくる。マグネットに関心を寄せる管理者や研究者だけでなく、看護の質向上をめざす全ての人たちに読んでいただきたい一冊だ。」

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by admin|2008年12月16日 19:48|コメント (0) トラックバック (0)

「総理の辞め方」

(本田雅俊著、PHP新書、2008年)

東久邇宮稔彦王から、福田康夫に至るまでの
戦後歴代首相29名の政治人生を綴った書。
彼らが、どのように首相職を求め、首相としての政治を行い、首相の座を去っていったのかが、
コンパクトにまとめられている。
何度も総裁戦にたった人、時代の流れで予期せず首相になった人などさまざまだなあと
こうして並べられれば、結構感慨深い。

私の最初の大学受験は私学文系専願だった。
分厚い日本史の参考書を丸覚えしたから、
歴代首相の名前はもちろんのこと、すべて記憶していたはずだが、
今ではさっぱり忘れてしまっている。

自分の生の記憶としては、首相は佐藤栄作から始まるのだが、
本書を読んでいると、歴代首相の言動やテレビ映像がいろいろ思い出されるし、
自分もその時代に何をしていたのかが思い起こされて、なかなか懐かしいものだ。

村山富市の妻が看護師だったとか、
池田隼人が大蔵省時代に病気療養をして同期より遅れたために、
終戦後に大蔵省幹部が公職追放に処せられたときにもそれを免れたとか、
といったような、おもしろいエピソードも散りばめられていて、
なかなか楽しく読める。
(平成20年11月24日)

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by admin|2008年11月24日 23:53|コメント (0) トラックバック (0)

「記憶力を強くする」

(池谷裕二、ブルーバックス、2001年)

20万部を突破しているベストセラー
先だって行われた当院の病院学会で講演してくださったときに
池谷先生の本を3冊購入した。
本書が、まず最初に読んだ本。

記憶には、その年齢に見合った記憶に仕方がある(p.189) とか、
復習が大切な理由(p.206) とか、
歳のせいで覚えが悪くなるのではなく、努力不足だ(p.187) とか、
物忘れがひどいという人は、単に初めから覚えていない(p.187) とか、
同じ状況は二度と来ないので、記憶は柔軟でなければならない(p.136) とか、

ふむふむと、納得のいく話が現実のエピソードといっしょに説明されているので
非常に楽しく読み切りました。
(2008年11月1日)

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by admin|2008年11月04日 21:44|コメント (0) トラックバック (0)

「書を読んで羊を失う」

鶴ヶ谷真一、平凡社ライブラリー、2008年)

なぜ、古書を手にすると枯葉がはさまれているのか?
なぜ、かつては音読が大事にされていたのか?
ペンネームはどのようにして作られたのか?
蔵書印の意味合いは?

など、本にまつわるさまざまなエピソードが
筆者の豊かな見識と教養に彩られながら展開されている。
本好きの私には、ワクワクするような話が満載でした。
(2008年10月25日)

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by admin|2008年11月04日 21:37|コメント (0) トラックバック (0)

「こころの処方箋」

(河合隼雄 平成10年、新潮文庫)

エッセイ集。
「人の心などわかるはずがない」
「マジメも休み休み言え」
と興味深内容がいっぱい。

去年までは、学生たちの悩み事を聞いてきたが、
今は現場の悩み事を聞くことが非常に多い。
カウンセリングを習ったわけではないので、
勝原流の応対しかできない。
本書を読んで、自分の心も少し解放された気分になりながら、
勝原流がもっと豊かになればいいなと思った。

(2008年10月23日)

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by admin|2008年11月04日 21:32|コメント (0) トラックバック (0)

「ボローニャ紀行」

(井上ひさし著 文芸春秋、2008年)

井上ひさしというと、初めて手にしたのが「ブンとフン」。
中学生のときだったと思う。
劇作家のイメージが強いが、
私は、ときどき彼の小説を読む。

本書は、テレビで資生堂の福原義春さんが薦めておられたものだ。
イタリアのボローニャという町の社会的協同組合の仕組みが、
本書を読めば、実によくわかる。

ボローニャの市民であれば、
ホームレスであっても障害を持つ人であっても、
もちろん普通の人であっても、何かを作り始めたら
他の市民がそれを支援し、盛り上げる。
そこで儲ければ、ボローニャの町に還元する。
当たり前のことなのだが、
みんなが自分の町を愛しているからできている。

その事例がたくさん紹介されている。
読めば読むほど、ボローニャに行きたくなる。
ボローニャの人と知り合いたくなる。
そして、自分の住んでいる町のことを
今一度考え直してみたくなる、そんな本です。
(平成20年10月4日)

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by admin|2008年10月21日 23:49|コメント (2) トラックバック (0)

「世界を変える人たち:社会起業家たちの勇気とアイデアの力」

(デービッド・ボーンステイン著、井上英之監訳、有賀裕子訳)ダイヤモンド社、2007年

 社会起業家という言葉に、前から惹かれていた。
 儲けるとか、己を試してみたい・・・といった次元を越え、
 社会的な問題に対して、自分がやらねば誰がやるのだという勢いで、
 身近なところから取組む。
 豊かなアイデアと不屈の精神をたずさえながら、目標達成までひたすら挑み続ける人。
 その行動が世の中や社会を変えていく。

 本書は、そんな社会起業家の中でも、
 世界規模の人たちの取組みを紹介している。
 ナイチンゲールもその一人だ。

 私はお会いしたことはないが、
 さまざまな人からその生きざまをうかがうにつけ、
 聖隷福祉事業団の創始者長谷川保さんも、まさしく社会事業家だった。

 第6章には、成功する社会起業家の6つの資質が書かれてある。
1.間違っているとおもったらすぐに軌道を修正する。
2.仲間と手柄を分かち合う
3.枠から飛び出すことをいとわない
4.分野の壁を越える
5.地味な努力を続ける
6.強い倫理観に支えられている
 字面だけみれば、どうということはないかもしれないが、
 10人の事例を読んだ後にこれらの資質を読むと、深くうなづけるものがある。

(2008年9月7日)

 

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by admin|2008年09月08日 20:28|コメント (2) トラックバック (0)

「気づき」の力:生き方を変え、国を変える

(柳田邦男、新潮社、2008年)

浜松で開催された著者の講演会の会場で、本書を購入。
「読むことは生きること」とサインをしていただいた。
たしか、そういうタイトルの本も書かれていたはずだ。

柳田先生の本は、
「犠牲、わが息子・脳死の11日」「マッハの恐怖」「フェイズ3の眼」など
いろいろ読んできた。
ドキュメンタリー作家のイメージが強かったが、
講演を聴いてえらく異なる印象を持った。

帰宅して一気に読んだ本書は、
その新たな印象どおり、
非常に自分の内面をみつめ、何か「悟り」のようなものを感じさせてくれた。
(平成20年8月31日)

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by admin|2008年09月05日 13:19|コメント (0) トラックバック (0)

「リーダーシップへの旅路:本当の自分、キャリア、価値観の探求」

ビル・ジョージ、ピーター・シムズ著(梅津祐良訳、生産性出版)2007年

有名・無名、老若男女を問わず、
リーダーシップが自らの人格にしっかりと根ざしていると判定された
リーダーたち125人に行ったインタビュー結果をまとめた著。

書かれている内容が、
どれくらい自分に落とし込むめたのかを確認するためのエクササイズが
各章ごとについているのがおもしろい。

インタビューデータが、そのまま引用されている箇所があるのも
理論を裏付けていて読みやすい。

「目的に対してきわめて強い情熱を感じているので、
その結果としてリーダーになっていく・・・中略・・・
情熱に伴ってリーダーシップは後からついてくる」(p.205)

このフレーズはなかなか好きだなあ。
(平成20年7月27日)

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by admin|2008年07月28日 22:22|コメント (0) トラックバック (0)

「意志力革命」

ハイケ・グルック、スマントラ・ゴシャール著(野田智義訳、ランダムハウス講談社)2005年

スマントラ・ゴシャールの訃報に
経営学者の誰もが手を合わせた。数年前の話だ。
野田智義さんの訳者あと書きには、
スマントラ自身の意志力の強さが記されていて胸を打つ。

さて、本書は、モチベーションと意志力の違いを明らかにし、
マネジャーや組織が意志力を持つことの大事さを伝えてくれるものだ。

モチベーションは、
何らかの刺激を受けて、こうしたいとか、こうありたいとかという気持ちを導く。
他方、意志力は、
達成したいことに対して深い愛情を持ち、無条件にコミットする力をいう。

意志力の方が、モチベーションよりもより能動的で深く強い。

その意志力を天性のものだとして終わらせず、
どうすれば身につけられるのかが記されている。

読みながら、
看護の価値を社会の価値にしたい、そのために
なんとか看護を可視化していきたいのだという自分の思いの強さを確認した。
(平成20年7月22日)


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by admin|2008年07月22日 22:36|コメント (1) トラックバック (0)

「誰のためのデザイン?」

D,A,ノーマン著(野島久雄訳、新曜社認知科学選書)、1990年

機械嫌いでアナログ人間の私のような人間には
ありがたーい本です。

「シャワーの使い方がすぐにわからなかったり、
見慣れないテレビやコンロで苦労したならば、
悪いのは(その人の使い方や知識のなさではなく)
デザインの方だということを心に留めておくべきだろう。」(p.86)
(( )は勝原が挿入)

この類の文章があちらこちらにある。

たくさんありすぎるリモコンの操作ボタン。
使わない機能をたくさん持った携帯電話。
小分け用ポケットがありすぎてどこに収納したのか余計に混乱するバッグ。

機能やシステムへの理解が悪いのは、
自分が超アナログ人間だからだと割り切っていたが、
デザインの問題だということを整然と説いてくれる本書を読むと
にんまりするシーンがたくさんある。

それから、システムエラーやミステイクの話も
認知心理学やデザインの視点からされていて
リスクマネジメントの視点でも役立つ。

出版年が古いから、デザイン事例も古いが、
十分今読むに値する。
(平成20年7月13日)

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by admin|2008年07月14日 17:42|コメント (0) トラックバック (0)

「生体リズムと健康」

若村智子編 (丸善株式会社)2008年

私の友人、京都大学准教授の若村さんの本。
兵庫県立大学で同僚だったとき、
よく彼女から睡眠と看護師の3交代の関係性について話を聞いたものだ。

ただ年齢が少し上だったからとういだけでなく、
私はまったく三交代に向いていない体だった。
深夜明けなど、ふわふわ絨毯の上を歩いているようで、
足はもつれ、思考は停止寸前で、車の運転は非常に危険な状態だった。
だからといって、明るいうちは寝付けないので、
深夜明けからまったく体が回復した気がしないまま
次の勤務についていた。
しんどかった。

そんな経験があったので
「私は夜勤できないので、臨床看護師には向いていないんだ」と
思い込んでいた。

でも、若村さんから
「もともと、早寝早起きがきちんとしつけられて育った人は、
夜起きていられないような生体リズムになっているのだ」
ということを聞かされ、
私が看護師に向いていないのではなく、
私の体が決められたシフトワークに向いていなかっただけなんだとわかった。
こんな私にも工夫すれば、組めるシフトがあるようだ。

そんな面白い話をたくさん聴いていたのだが、
京都大学に移った若村さんは、その手の話を医学部だけでなく
全学部向けの教養講座でしたらしい。
それが、むちゃくちゃ受けて、
「京大人気講義シリーズ」として出版されることになったようだ。

若村ファンとして、
こんなに嬉しいことはない。
実におもしろい内容で、一気に読み上げた。  (平成20年7月6日)

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by admin|2008年07月06日 22:18|コメント (2) トラックバック (0)

「おとうと」

幸田文(新潮社)昭和43年 (オリジナルは、昭和32年中央公論社)

私にも、やんちゃな(といっても、もう子ども2人を持つ立派な大人だが)弟がいるので、
つい手にとってみた。
作家である父と継母との4人家族。
3つ違いの弟を、小さいときから面倒見続ける「姉」が中心に物語が構成される。

読み終わってからわかったが、これは、幸田文のほぼ自伝に近いものだそうだ。
幸田露伴を父にもつ文には弟がいたが、19歳で急逝している。
実の母親を7歳で失い、8歳で父親が再婚しているので、まさに、自叙伝だ。

弟はやんちゃだが、姉がいるから安定しているように思える。
その弟が結核にかかる。そのとき、看病につくのが「一等看護婦」(p.171)と表現されている。
インターネットで調べると、どうも婦長級の看護師を、当時はそう呼んでいたらしい。

最期の場面では、物語として気持ちが揺さぶられるだけでなく、家族をケアする看護師の職業人としての描写が、思いがけずきちんと「看護」を伝えていることに感動したのだった。 (平成20年7月6日)

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by admin|2008年07月06日 21:52|コメント (0) トラックバック (0)

「浮世の画家」

カズオ・イシグロ著(飛田茂雄訳、早川書房)、2006年

「日の名残り」があんまりにもよかったので
続けて読んだ本。

日本の文化や日本人の情緒の描写が豊かで、
翻訳とは思えず、まるで日本人の作家の小説を読んでいるようだった。

(平成20年6月28日)

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by admin|2008年07月06日 21:49|コメント (0) トラックバック (0)

「最前線のリーダーシップ」

ロナルド・A・ハイフェッツ、マーティ・リンスキー著(竹中平蔵監訳、ファーストプレス)、2007年

最近、やたらとリーダーシップの本を読みたくなる。
今の立場がそうさせているのは間違いない。
読み方が、以前とは異なっていることをはっきり自覚している。

読み進めることで、
自分の足らなさ、未熟さを本書で確認すると共に、
気づいていなかった大事なことをたくさん気づかせてくれた。

ハイフェッツの本は何冊か読んでいるが、
マーティとの共著によって、
リーダーシップに対する洞察の深さがより冴えていると感じた。

線をひいた箇所があまりにもたくさんあるので、
内容の紹介は割愛。

(平成20年6月22日)

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by admin|2008年07月06日 21:41|コメント (0) トラックバック (0)

「エンデュアランス号漂流」

アルフレッド・ランシング著(山本光伸訳, 新潮社) 1998年

これも、「日の名残り」同様、
「ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス」の6月号で紹介されていた本。

1915年、凍った南極の海に閉じ込められたエンデュアランス号。
その船長のシャクルトンは40歳。乗組員27名をひきいる。
これでもか、これでもかと次々迫る危機的状況を
強靭な精神力と体力、それに並外れたリーダーシップで対応していく。
事実の記録だけに、ページをめくるごと次はどうなるのかとはらはらする。
寒さ大きらいの私からすると、
当時の装備で、極寒にたとえ1分でも肉体が存在することなど考えられない。

青木久子さんによる解説ページによると、
この南極探検隊の募集広告は
「求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証なし。成功の暁には名誉と賞賛を得る」(『もっと面白い廣告』天野祐吉著、ちくま文庫)だったとのこと。
まさに、この広告どおりの旅だったわけである。 

遠出の出張の車内で没頭して読むには最高の本だった。  (平成20年7月4日)

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by admin|2008年07月05日 23:02|コメント (0) トラックバック (0)

「日の名残り」

カズオ・イシグロ (土屋政雄訳、早川書房) 2001年

「ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス」の6月号に、
「文学を読んでビジネスに生かす」という記事が載っていた。

そこに、
ハーバードビジネススクールで道徳・倫理の勉強をするときに用いている小説が
いくつか紹介されていた。

ずっとその手の研究をしてきたので、
載っている本は全部アマゾンで購入した。
本書はその一つ。

なるほど、ブッカー賞をとったというだけあって、読み応えがある。

非常に優れた執事の回想記という体裁をとっているが、
サーバントリーダーシップにも通じる話だし、
たしかに、モラル・リーダーとは何かを考えさせられるくだりが多々みられる。
執事が重要な会議を円滑に進めるために人々を動かすやり方などは、
まさに組織行動論そのものだ。
もちろん、純粋に小説として読んでも非常におもしろい。
(平成20年6月13日)

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by admin|2008年06月17日 20:37|コメント (0) トラックバック (0)

「医療・看護事故の真実と教訓」

隈本邦彦 (ライフサポート社, 2008)

以下は、看護実践の科学(7月号)に掲載予定の書評原稿です。

出版社の了解を得て、ブログに掲載します。

事故」という文字を見るとつい身構えてしまうのだが、本書は率直に言って非常に読みやすく、しかも考える視点をたくさん与えてくれると感じた。読みやすいと感じた点は3つほどある。

まず、扱っている事例の種類が豊富だ。よく知られた事例から、あまり知られていないが知っておくべき事例まで盛りだくさんに掲載されている。裁判を傍聴したり、著者自らがインタビューに行ったりして取材され、再構成され事例が、コンパクトに時系列で表現されている。何が起きたのか、なぜ起きたのか。複雑な事象が、著者の手にかかると要点をついて伝わってくる。

次に、それらの事例についての解説にぶれがない。著者が冒頭で引用した論語の一節「過ちて改めざる、これを過ちという」(過ちを犯したこと自体よりもそれを反省しないで同じ過ちを犯すことが悪い)と、「過ちては即ち改まるに憚ることなかれ」(過ちを犯してしまったら、改めることに躊躇してはいけない)とにこめる思いが、本書の最初から最後まで貫かれている。

失敗や過ちを犯した個人を攻撃するのではなく、現象を引き起こした仕組みや背景を変えなければいけない。そして、私たちは失敗から学ばなければならない。こういったフレーズはよく耳にするのだが、ぶれることのない著者の姿勢からそれらが確かなものとして伝わってくる。本来、一つしかないはずの事実だが、何に注目するかによってその解釈も表現も異なってしまう。どのような切り口で物事をみるかが読み手を左右する。だから、大事だと思った視点を貫き通すことには信念が要る。本書では、そういうことを知り尽くした著者のジャーナリストとしての役割を果たさんとする意気込みが強く感じられるのだ。

最後に、随所に看護への愛情が感じられることを強調しておきたい。事故の被害に遭った患者や残された家族は、厳しい現実に向き合わなければならない。そのことへの配慮を十分に行いつつ、文章のトーンが、看護の仕事のへの深い思いやりに満ちている。

たとえば、カルテ改ざん等に対して看護師が勇気を持ってNOというために、「患者だけでなく看護師を守るためにも、そんな法律が必要だと思います」(P.72)という提案。自分の非を素直に認めた看護師に対し、「だから僕は反省している看護師は訴えませんでした」(P.26)という被害者家族の発言の引用。看護師が医師へ注意を促したのに誤投薬が起きた事故に対し、「さらには看護師からの疑問に耳を傾けようとしない医師には、どんな目立つ注意書きをしても、結局は無力でした」(P.177-178)という看護師の臨床能力を評価する記述。そういった箇所が随所に見られる。

看護師は国家資格を持つ専門職。自らの判断や行為に責任を持たねばならない。しかし、体制や歴史的背景から、本来負うべき責任以外のものを背負わなくてはならなかったり、看護師だけが責任を追ったりといった現実に対する注意が喚起されているのだ。医療者が、事故事例から何を学ぶべきかをまっすぐに突きつける良書だ。

(平成20521日)
 






 


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by admin|2008年06月09日 19:44|コメント (2) トラックバック (0)

「九つの決断」

マイケル・ユシーム(光文社、鈴木主税訳)、1999年



世界規模、地球規模の歴史を左右するような局面で

リーダーシップが試された9人の事例。

事実がつづられているだけに、自分だったらどうしていただろうと考えさえられる。

(2008年5月18日)

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by admin|2008年05月18日 23:06|コメント (0) トラックバック (0)

「知的な未来をつくる「五つの心」」

ハワード・ガードナー(中瀬英樹訳、ランダムハウス講談社), 2008年

Good Work プロジェクトの一人として活躍している著者のことを
本当にすごい人だと思っていたが、
本書も、予想に違わぬ刺激を与えてくれた。
こういう本に出くわすと、心が躍り、そして心が穏やかになる。
5つの心とは、熟練した心、統合する心、創造する心、尊敬する心、倫理的な心。
この5つの心が、これからの地球を支える人類にとってますます必要になるということへの
著者の深い思いがいっぱい詰まった本だ。
(平成20年5月11日)

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by admin|2008年05月12日 21:52|コメント (0) トラックバック (0)

「蓼喰う虫」

谷崎潤一郎 (新潮文庫),昭和26年



三宅周太郎が、「文楽の研究」「続文楽の研究」の中で、

谷崎の文楽を追究する姿勢や、この本のことについて何度も触れていたので、

またふと読みたくなった本だ。

そういえば、舞台が神戸だったことを忘れていたが、

知った地名がたくさん出てくると、主人公とどこかですれ違ったいるような感覚になった。

文楽の用語や文楽の歴史を知った今だからこそ、谷崎の叙述の美しさが響いてきた。

(平成20年5月9日)

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by admin|2008年05月12日 21:41|コメント (0) トラックバック (0)

「プレカリアート:デジタル日雇い世代の不安な生き方」

雨宮処凛(洋泉社), 2007年

ワーキングプアやニートの現状については、新聞やテレビ等を通して知っていたが

本書には説得力のある最新の数字がたくさん並んでいて、より理解が進んだ。

ワーキングプアを生み出していく構造が明らかにされているのだ。

本書でおもしろかったのは、作者と東京都知事石原慎太郎との対談収録の部分

行政批判をする作者と、若者の体質批判をする石原氏との

本音がぶつかり合っているのをびんびん感じる。

(2008年4月27日)

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by admin|2008年04月27日 23:35|コメント (0) トラックバック (0)

「あぁ、阪神タイガース:負ける理由、勝つ理由」

野村克也(角川書店). 2008

 野村さんが監督していた頃から、よく甲子園には通っていた。
「のむらー」と叫んだ覚えもある。
監督就任中、3年連続で最下位だった。
指揮していた張本人が、k「阪神タイガースという球団の体質を、実名盛りだくさんで説く本書は
阪神ファンでも納得して読めた。
特に、ファンが阪神をだめにしている要素が強いというのは、
甲子園での応援をみていて、身をもってわかるような気がする。
(2008年4月26日)

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by admin|2008年04月27日 23:29|コメント (0) トラックバック (0)

「償い」

矢口敦子(幻冬舎)平成15年初版

新大阪ー浜松間の車内で読み切るには、
量もタッチもちょうどよい。
主人公が医者だというのを裏表紙で知り、購入を決めた
久しぶりのミステリー。
(2008年4月20日)

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by admin|2008年04月21日 18:36|コメント (0) トラックバック (0)

「すごい生き方」

雨宮処凛 (サンクチュアリ出版)2006年

いじめられてよかった
リストカットをしてよかった
自殺未遂でオーバードーズで
胃洗浄でよかった

で始まる、作者自身の生きてきた実録。

生き方にルールがあるわけではない。
いろんな生き方それぞれに価値があることを
熱く明瞭な語り口で教えてくれる。
(2008年4月17日)

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by admin|2008年04月19日 00:17|コメント (0) トラックバック (0)

「赤川次郎の文楽入門:人形は口ほどにものを言い」

赤川次郎(小学館文庫) 2007年

私が文楽を聞き始めて6年くらいになると思う。
この本を非常におもしろく読めたのは、
作者が文楽を聞き始めて十数年くらいの時に書いたエッセイということで、
文楽が大好きで興味を持っているけど視点は素人という点が私と同じだからだ。

これから文楽でも聞いてみようと思う人、
少し文楽をかじった人でもう少し知りたいという人には
ぜひ読んでいただきたい。
(2008年4月18日)


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by admin|2008年04月18日 23:57|コメント (0) トラックバック (0)

「続文楽の研究」

三宅周太郎 (岩波書店 )2005年

「文楽の研究」の続編

文楽にたずさわる人たちが、
決して恵まれない、むしろ給金も十分ではない境遇の中で研鑽を積み、
この素晴らしい伝統芸能の歴史を積み重ねてきてくれたことへの
作者の畏敬が伝わる。

残されている数少ない資料を整理し、インタビューを重ね
このような本を、ただ文楽が好きだというだけの私にも読めるように世に出してくださった
作者に感謝です。
(2008年4月12日)

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by admin|2008年04月18日 23:46|コメント (0) トラックバック (0)

「続文楽の研究」

三宅周太郎 (岩波書店 )2005年

「文楽の研究」の続編

文楽にたずさわる人たちが、
決して恵まれない、むしろ給金も十分ではない境遇の中で研鑽を積み、
この素晴らしい伝統芸能の歴史を積み重ねてきてくれたことへの
作者の畏敬が伝わる。

残されている数少ない資料を整理し、インタビューを重ね
このような本を、ただ文楽が好きだというだけの私にも読めるように世に出してくださった
作者に感謝です。
(2008年4月12日)

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by admin|2008年04月18日 23:46|コメント (0) トラックバック (0)

「はたらきたい。」

(ほぼ日刊イトイ新聞)ほぼ日ブックス, 2008

糸井重里が主宰しているほぼ日刊イトイ新聞に掲載された
特集企画「ほぼ日の就職論」が本書のおおもと。

就職って何なんだろう。
働くってどういうことなんだろう。

そんなことを、
「人」の生き方を専門に仕事をしている人たちと、糸井氏との対話から読み解いていく内容。

ところどころ、「みうらじゅんに訊け!」というコラムが挿入されていて楽しい。

「はたらくこと」とは、「大切にしてきたもの」を考えることに他ならない(p.10)
という言葉がやけに胸に響く。
(2008年3月25日)

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by admin|2008年03月26日 13:12|コメント (2) トラックバック (0)

「職業としての政治」

(マックス・ヴェーバー著、脇圭平訳) 岩波文庫 1980年

1919年にマックス・ヴェーバーが学生団体のために行った講演内容。
薄い本だが、内容は濃い。

特に、政治と倫理の関係についての件は、何度も読み返した。

私は政治家ではないが、
今のポジションにおいて、何のために、誰のために毎日の仕事をしているのかを考えるとき
非常に考えさせられるものがあった。

●倫理的に方向づけられたすべての行為は、「心情倫理」と「責任倫理」という2つの準則の下にある。
 「心情倫理」に重きをおく場合には、純粋な行為を行うことが前提であり、その結果が悪くても行為者の責任ではいと考える。 
 他方、「責任倫理」に重きをおく場合には、人間のいたらなさを計算した上で行為の結果が予見できる場合には、その結果責任を他人に転嫁してはならないと考える。(p.89)

●両者は、対立するわけではないが両立は難しい。

●ところで、善い目的を達成するためでも、道徳的には危険な手段を用いることがある。それを正当化できるとは限らない。(p.91)

●だから、職業として政治を行おうとする者は、このような倫理的パラドクスの圧力の下で、自分自身がどうなるかという問題に対する責任を忘れてはならない。(p.99)

●政治には権力が不可欠であり、「暴力」を手段に問題の解決をはかることがある。

●そのため、結果に対する責任を痛切に感じて責任倫理に従った行動をとり、「こうするより他はない。私はここに踏みとどまる」という方が、ロマンチックな感情に酔いしれる「心情倫理」よりも成熟していると考える(p.103)

●自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中がどんなに愚かで卑俗であっても、断じてくじけない人間だけが、政治への「天職」を持つ。(p.105-106)

 

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by admin|2008年03月22日 22:38|コメント (0) トラックバック (0)

『問題解決のための「社会技術」 -分野を超えた知の協働-』

(堀井秀之)中公新書, 2004

問題解決に関する本は今までも読んできたが、
本書は、副題がいい。
「分野を超えた知の協働」

ある種の問題に対する専門家の意見、専門的な見解というのは大事だが、
専門の視点だけから現象をみていると、行き詰まったり堂々巡りになったりすることがある。

でも、たとえば医療事故という問題を
医療の専門家だけでなく、
心理学者や交通安全の専門家などと共に考えると、世界がぐっと広がっていく。

社会技術研究は、
a 問題解決型であり、
b 特定の専門領域に囚われない俯瞰的(ふかんてき)研究である という特徴を持つ(p.59)。

多様な価値観を持つ個・集団が同じ社会に生きているのだから、
それらの智恵を結集して、社会の動きが知的にまわれば、本当に理想的だと思う。
(2008年3月11日)

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by admin|2008年03月11日 18:10|コメント (0) トラックバック (0)

「怒りの心理学 -怒りとうまくつきあうための理論と方法-」

(湯川進太郎編)有斐閣、2008

編著者の湯川先生とは、数年前に「抑制開示研究会」で知り合った。

抑制しなきゃいけないと思い込んでいる気持ちを、筆記や話すことを通して開示することで、ストレスが減り、心身の健康につながるということをPennebakerという学者が「オープニングアップ秘密の告白と心身の健康白」(余語真夫訳,北大路書房,2000)で記している。

その本を読んで、これは絶対ナースの支援に必要な考え方だと思った私は、

訳者の余語先生に連絡をとり、すぐに会いに出かけた。

そこで紹介されたのが、先の研究会。

この研究会では、湯川先生、余語先生他、同世代の4人のスマートな心理学者たちが、それぞれの研究室の大学院生たちとネットワークを築き、すばらしい研究を次々と世に出している。

その一人の湯川先生が、自著を送って下さった。

怒りには男女差がないとか、怒りの表出行動のひとつである「遠まわし」に言うのは日本文化独自のものだといった内容は、非常に身近なことである。

学術書とは言いながらも文章が平易なことも相俟って、とてもおもしろく、一気に読み進めた。

後半には、怒りのコントロール法も載っている。

激しやすいタイプの人や、周りにそういう人がいる人には絶対に参考になる本だ。

200837日)




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by admin|2008年03月10日 23:48|コメント (0) トラックバック (0)

「はじめてのインド哲学」

(立川武蔵著) 講談社現代新書、1992年

明石から浜松に戻るまでの間、ずっと読んでいた。
残り50ページは、先ほど家で読み終えた。

「はじめての・・・」というタイトルが嬉しくて昨日買ったのだが、
きちんと読むと非常に深く、実は一気に読むような本ではない。
それでも、一気に読まなければ、ますます複雑でわかりにくくなりそうだったから、一気に読んだ。

インド精神史を遡り、紀元前2500年から現在までの6つの時期に分け、時期ごとに展開された思想をわかりやすく解説した本である。

インド精神においては、
世界を超越するイエス・キリストのような(創造)神はもたず、世界の中に神を求めるか、世界そのものを神だととらえる(P.28)。
個と全体は同一のものと考えられるているので、私と世界(宇宙)も同一視される。
そして、その世界に聖なる価値を与えようとしている。

わからないようで、わかる。
わかったようで、わからない。

でも、わかりたいと思うのは、
結局、自分が世界とは何かということをこれまで考えてこなかったからだと思う。
(2008年3月3日)

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by admin|2008年03月03日 21:20|コメント (0) トラックバック (0)

「会社人間、社会に生きる」

(福原義春著) 中公新書、2001

もちろんお会いしたことはないが、一度はお目にかかってみたいと思う人の一人が、
著者の福原さんだ。

社長をされていたときには、もちろん新聞や雑誌でしょっちゅうお名前とご活躍ぶりが報じれれていた。
日本経営倫理学会の会報でもよくお名前を拝見するのだが、なぜだろうと思っていたが、本書を読んで、
その生い立ちから「倫理観」が常に大切にされた環境にいらしたことがわかった。

社長になるまでの社内での歩み、社長になられてからの10年間のリーダーシップのありようが、実によくわかる。
今の私には、たくさんの教示をいただけた感謝すべき本だ。
(2008年3月3日)

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by admin|2008年03月03日 21:07|コメント (0) トラックバック (0)

「やる気!攻略本」

(金井壽宏著) ミシマ社、2008年

「どうしたら、やる気のないスタッフにやる気を持たせることができるのでしょうか?」
これは、これまで、リーダーシップやモチベーションなどを教えていると、必ず受けた質問の一個だ。

しかし、その質問だけでは、質問者がどのようなスタッフを思い描いているのか、またそれまでのその人の関わりがどうだったかがわからない。だから、状況を聞くためにやりとりをしなければ、即答するのは難しい質問だ・・・とこの本を読むまでは思っていた。

本書は、そんな部下のやる気を上げようと考えている管理者、あるいはやる気のなさを流れにまかせていた人などが、どうすれば「やる気」をコントロールできるのか。この難しいはずの問いに対して、実に具体的に答えてくれている。

私自身は、これまでやる気がなくなるという経験をしたことがほとんどない。
だから、珍しく線を引くところがなく、本書を読み終えた。

でも、自分はいくら元気でも、「やる気なし人」を抱えて困っている人たちは、すごーくたくさんいるはずだ。
そういう意味では、「やる気」についてまず書いてみて、焦点を絞っていくとう方法は非常に参考になった。
また、やる気を出すための特効薬はこれこれですよ、という趣旨ではなく、自分のやる気のでるときと、でないときとを知ってコントロールすることが大事という考え方も、実際的で気に入った。

ところで、この本には、私が登場!します。 

実は、取材を受けたのです。
私の「やる気」を分析したくて、取材にいらしたようですが、あまり落ち込むことがないという私の話が参考にならなかったのかしら。
看護管理のことを熱く語り、「私はこのために管理者をやってるんじゃー」と吠えたところが採用されたのでした。
病院名、役職名も載り、実名で8ページも登場します。
(2008年2月17日)

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by admin|2008年02月17日 16:23|コメント (2) トラックバック (0)

「ご冗談でしょう、ファインマンさん (上巻)(下巻)」

(R.P.ファインマン著、大貫昌子訳)岩波書店、1986年 (岩波現代文庫、2000年)

平成19年10月26日の朝日新聞。
「ひと」の欄に、資生堂名誉会長 福原義春氏が紹介されていた。

福原氏のことは、もちろん資生堂の社長・会長としての活躍ぶりから聞き知っていた。
特に、私はずっと組織倫理・経営倫理の問題を研究テーマにしてきたので、CSRで有名な資生堂の風土を作り上げた福原氏については、書かれたものなどもよく目にしていた。
業界きっての読書家でも名高い福原氏の紹介記事は、読書離れ・活字離れに歯止めをかけようと立ち上がった「文字・活字文化推進機構」の初代会長としてのものだった。

その記事で、若い人に薦めたい本として挙がっていたのが、本書だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とにかく、おもしろい本だった。
ジャンルとしてはどうなるのだろう。自叙伝でもあり、エッセイでもある。

ノーベル物理学賞受賞者のファインマンの好奇心旺盛な生き方、一度興味をもったら自らの頭と体を使って確認する行動力、筋の通らないことを許さぬ姿勢、自分を主観的にも客観的にも表現できる開示性、難しいと思われることを身近な現象を使って平易な言葉で説明する力などが、文章を通してビンビンと伝わってくる。
話の展開がスピーディで、コミカル。かと思えば、一男性、一人間としての苦悩や愛らしさもふんだんに記され、実に楽しく読み進めた。

高校時代、物理は唯一の赤点科目だった。
当時は、やってもやっても「難しーい!」が先行して、わからなかった。
そんな私が、本書を読んで初めて物理がおもしろそうだと思えたことは、物理嫌いのトンネルから抜け出たような感覚だ。
(2008年2月16日)

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by admin|2008年02月16日 21:44|コメント (0) トラックバック (0)

『「待つ」ということ』

(鷲田清一) 角川選書、2006年

携帯電話や電子メールがなかったとき・・・それはほんの10数年前のことなのだが、「待つ」ことの重みが今以上にあったように思う。
飛行機や新幹線がなかった時代には、きっと、より一層「待つ」ことが尊い何かに結びついていたのだろうと思う。
そんなふうに、待たなくてもよい時代になったからこそ、「待つ」ことの意味を考えようというのが本書の試みだ。

本書を読みながら、病院の中のたくさんの「待つ」を思った。
回復を待つ、診察時間を待つ、誕生を待つ、家族の到着を待つ、看護師の訪室を待つ・・・

鷲田のいうように、「ひとが待つことをはじめるのは、じぶん独りでは事態をどうにも打開することができないと悟ったすえに、最後はもうひたすら相手の変化を希(ねが)うしかないからだ」(p.84)とすると、われわれ医療者は、患者や家族の「待つ」と付き合うという、非常に高度な倫理性を求められる仕事なのだとあらためて思った。
(2008年1月29日)

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by admin|2008年02月06日 23:59|コメント (0) トラックバック (0)

「文楽の研究」

(岩波書店) 三宅周太郎 2005年

出版年は最近だが、初版は昭和5年であり5版を重ねた名著である。

文楽鑑賞を始めてもう何年にもなる。
これまでは、文楽の物語性、太夫の語り、人形遣いや三味線の技に関心を寄せていた。
しかし、本書によって文楽が現代にまで継承されてきた壮絶な歴史を知ると、ただ純粋に楽しむだけではなく、伝統芸能への畏敬と感謝を感じずにはいられない。
今後は、そんな鑑賞の仕方に変わるだろう。 
(1月14日)

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by admin|2008年02月06日 23:28|コメント (2) トラックバック (0)

「比叡山千日回峯行 酒井雄哉画賛集 ただ自然に」

(酒井雄哉著) 小学館, 2006年

学術書は、著者の述べたいことが何なのかを正確にすばやく読み取ること、あるいは著者が出した結論に至るまでの論理性を追うことを楽しみながら読む。

小説は、起承転結の展開と、行間にあふれる情緒や風景を楽しみながら読む。

本書のような本は、短い文章だが急いでページをめくることもなく、天台宗大阿闍梨の姿をじっくりと自分自身の生き方に投影させながら読む。正月用にとっておいた1冊。やっぱり正月に読んでよかった。 (2008年1月2日)

 

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by admin|2008年01月02日 18:57|コメント (0) トラックバック (1)

「ストーリーテリングが経営を変える:組織変革の新しい鍵」

(Brown J.S., Denning S, Groh K, Prusak L. 著、高橋正泰・高井俊次監訳) 同文館出版, 2007年

ナラティブをいう言葉が看護界で聞かれるようになって久しい。
患者・家族とのコミュニケーションをはかることを大前提にしてきた看護が、「語り」を通して患者・家族の世界や、患者・家族と医療者とをつなぐ現象を明らかにしようとするのは自然なことだ。

本書は、経営学におけるナラティブの価値と効果について、専門性も職業も異なる4人の著者がそれぞれの仕事を通じて体得した「知」として述べている。

これまで、現場で何が起きたのか、看護が何をしたのかを事例としてきちん残し伝えることの大切さは言い続けてきた。本書は、現場で毎日山のように出来上がるストーリーを「知」に昇華させれば、必ず臨床の変革につながることを改めて確信させてくれた。

しかし、大事なことは、物語の内容そのもではなく、物語る力を持つことだ。すでに、「看護を語る会」や「研究発表の場」などが仕組みとして根付き、語ることが文化になっている当院において、語りに「知」と「変革」への意識が加われば、必ずや新しい扉が開かれるに違いない。   (2007年12月30日)

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by admin|2008年01月02日 18:27|コメント (0) トラックバック (0)

「マネジメントの探求」

(井部俊子著)2007年、ライフサポート社

このコメントは、「看護実践の科学」20082月号の「書評」欄に掲載予定のものである。 

饒舌ではないし、無口でもない。早口ではないが、遅くもない。でも、非常に特徴的な語りをされるのが著者の井部さんだ。一般的な人よりも思考時間を比較的長くとった後に、装飾語無しで本質的な言葉を繰り出す。強さがあって刺激的な発話だ。なぜ、そのような「言の葉」に至るのかといつも不思議に思っていたが、本書はそれを教えてくれた。

日常的に思考することが習性になっているのだ。

さまざまな現象に出くわしたり、他者との会話場面に位置したりするときに、何が本質的な事なのかをその日常の思考から引っ張り出して照合し、それを新しく思考に付け加えている。そのサイクルが強さを生みだしている。きっとそうなんだ!と本書を読んでそう思った。 「マネジメントの探求」は、そのタイトルどおり、著者がトップマネジャーとして何を探求してきたのか、どのように探求してきたのかが見えるように描かれている。マネジメントを思考するプロセスが実によくわかる。

本書では、著者が聖路加国際病院の看護部長に就任した1993年からそのプロセスを追うことになるが、一話完結の探求実績は実に135話に及び、2004年まで続くことになる。それは、井部俊子のlife historyの一部でもあり、看護界の歴史でもあり、そのときどきの世相を反映するものでもある。1993年に看護師になり、本書が発刊された今年、看護部長職に就いた私にとって、この歴史書は偉大な先輩による手引き書であり、自らのマネジメント思考のよき指南役である。

本書の最大の特徴は、連載の数々が年ごとの括りで巧みに構成されていて、先のような歴史書としての様相を見せていることだと思う。だが、それ以上に注目したいのは、各連載の記述の後に載っている数年経った後の井部さん自身の追記である。連載が書かれた当時の思い出やその後の経過報告が記されていることで、読者は3種類の楽しみ方ができる。つまり、最初は、連載が書かれた当時の著者のマネジメント思考を優れた筆力から純粋に楽しむことができる。次に、連載当時と追記が書かれた時期との隔たりとつながりについて著者の思考の完成度を確認できる。そして、最後に、本書を読んでいる読者自身のと本書を書いた著者との時間と空間の差を確認したり、その差を埋めていく作業ができたりする。だから、読者はこの素晴らしい歴史書を、15年前の話だなどと思わずに読むことができる。

このように書評すると、本書は堅苦しいというイメージを持たれるかもしれないが、まったくそんなことはない。マネジメントを探求するプロセスの中に、涙・笑い・怒り・喜びがたくさん散りばめられており、日本を代表する看護管理者のハートを感じながら読み進められるのだ。

あなたが管理者なら、ぜひ読んでほしい。 

 

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by admin|2007年12月20日 12:23|コメント (4) トラックバック (0)

「エミーとレニー 2匹のねずみのお話」

(デービット・ハチェンス著、伊藤武志訳)日本能率協会マネジメントセンター 2001年

レミングというネズミ科の哺乳類がいる。何年かに一度異常繁殖し、周辺の食料を食べ尽くして後は海や湖に向かって移動し、飛び込んで集団自殺するらしい。本書に登場するレミングのエミーは、みんながそうしてるからっていう理由だけで、なぜ何も考えずに同じ行動をとろうとするのだろうか?と疑問を持つ。疑問を持つこと自体をおかしいというレミングもいる中で、彼女は一大決心をする・・・というストーリー。

 組織における個人の行動を考えるための教材用の本だが、よくできている。

(2007年12月8日)

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by admin|2007年12月13日 21:26|コメント (0) トラックバック (0)

「誠実であるということ」

(ヒュー・プリイサー著、袰岩ナオミ訳)VOICE、2004年

数年前、研究者をしていた頃、学生が卒業論文で「誠意」についての研究をしたいといってきた。そのときに、誠実とか誠意に関する本を大量に購入した。本書は、当時読みきれずにいた本の中の一冊。

著者が自らの経験や思考から編み出した言葉のつながりが、詩でもありエッセイにもなっている。

一番すてきだと思った箇所を抜き書きしよう。

「フットボールというスポーツは、小学校でかじった程度の僕だが、高校三年の時、それにあらためて挑戦しようと思い立った。理由は一つ。新しくきたフットボールのコーチが気に入ったことと、ともすれば半身不随にさえなり得る危険な「接触スポーツ」への恐怖を克服したかったのだ。この新しいコーチが僕に寄せる信頼は、僕の事故迅雷をはるかに上回っていると気づくのに時間はかからなかった。彼に日々追い立てられ、変身してゆくサマは自分でも奇跡的といえるほどで、一軍に入ったばかりか、優秀選手にさえ選ばれた。このコーチは、僕の能力を見抜いてそれ以下の出来では決して許さなかった。大学に入り、そこでもフットボールをやったが、そこの監督はクールで淡々としていた。僕の恐怖心はよみがえり、いつしかフットボールそのものもやめていしまった。僕は尊重されることの偉大さを体験したけれど、自分で自分を信じる、その力の方はまだ体得できていなかったようだ。」(p.35)

いつの頃からだろう。自分で自分を信じられるようになったのは。希望の大学に受かったとき?20歳で3週間の海外一人旅をしたとき?企業に就職して順調に昇格したとき?看護大学に行き直そうと思える自分に気づいたとき?教育職に就きながら学生に育ててもらっている自分を感じていたとき?そして今?

すごく昔のことだったような気もするが、最近やっとそうなった気もする。ただ、たしかに言えるのは、自分で自分を信じられるように、家族、友人、仕事の仲間などみーんなが支えてくれているということ。

(2007年12月11日)

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by admin|2007年12月13日 20:41|コメント (0) トラックバック (0)

「ケアの複雑性:ケアを再考する」

(シオバン・ネルソン、スザンヌ・ゴードン著、井部俊子監修、阿部里美訳)エルゼビア・ジャパン 2007年

看護者が自分たちの仕事の重要性をきちんと説明できていないことや、看護者の仕事が美徳や優しさだけで語られてしまうことへの警鐘がガンガンと鳴らされている。たとえば、「基本的なケアの重要性を説明できないと、2つの点で問題が生じてきます。ー中略ー看護師に求められる知識や技術を教えることはできず、看護師もその価値を理解できないことになります。ー中略ーさらに重要なことは、コスト削減をするために、看護師に直接ケアをさせず、代わりにもっと安く使えて、あまり知識や技術のない人にケアを任せようとする、ヘルスケアの政策担当者に発言もできなくなることです。」(p.189)

こういった意見に基本的に賛成である。看護者が看護の専門性が何なのかを説明し理解してもらえなければ、後に続く人たちを育てられないし、国民の理解も得られない。もっと看護が理解されるためには、看護を見えるようにするおkとは大切であると、今まで何度となく伝えてきた。

しかし、本書の内容は主張が強すぎて、少し食傷気味の感じもする。これくらい強く主張しないと目が覚めない看護者への強いメッセージであり、そこには看護師への強い愛情があることは十二分に承知しつつ。

 

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by admin|2007年12月13日 20:23|コメント (0) トラックバック (0)

「サーバントリーダーシップ入門:引っ張るリーダーから支えるリーダーへ」

(池田守男・金井壽宏著)かんき出版 20071117

 

 恩師の金井壽宏先生に、すいぶん前からサーバントリーダーシップの概念を教わっていた。提唱者はグリーンリーフであるが、その意向を引き継いだグリーンリーフ・センター・アメリカ本部長のラリー・スピアーズによるサーバントリーダーシップの10属性を(p.76-77)を最初に先生から見せられたとき、すぐに「これらの属性は看護師に当てはまります」とコメントしたことを今でも覚えている。ちなみに、それらは、(1)傾聴、(2)共感、(3)癒し、(4)気づき、(5)説得、(6)概念化、(7)先見力、予見力、(8)執事役、(9)人々の成長にかかわる、(10)コミュニティづくり。 リーダーシップというと、ぐいぐい人を引っ張るというイメージが強い。しかし、著者の一人である池田氏は、資生堂で秘書として5代の社長につかえてきた方だ。社長就任の打診があったとき、悩まれたあげく、社長として全社員に仕えることで全社員を支えようと思い引き受けられたという。サーバントリーダーシップの実践者である池田氏の体験談と、リーダーシップ研究の第一人者の金井先生との理論解説とのバランスがよくとれている本である。 なお、池田氏が最初にサーバントリーダーとい考え方に触れたとき、この考え方は、「イエス・キリストが弟子の足を洗ったという故事のように、上の地位の者が下の者を支えるという考えと、まったく同じではないかと思い至った」(p.116)とのこと。まさしく、「聖隷」の原点である。
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by admin|2007年11月10日 00:00|コメント (0) トラックバック (1)

The Practitioner-Researcher: Developing Theory from Practice

Peter Jarvis(1999) Jossey-Bass Publishers, SF.

 

ちょうど院内看護部の3年目研究の講評準備をしなくてはならないと思っていた矢先に、出会うべくして出会った本。まさにシンクロニシティだ。この本は、実践家が研究することの意味について書かれている。研究と仕事実践との乖離がみられるのはおかしな話で、私のように臨床と学者の世界を行き来していると、両者が融合されなければ社会的な発展はあり得ないと思っている。学者やエキスパートがすべての現象を理解しているわけではない。むしろ、現場にいる実践者が何が起きているのかをもっとも身近で理解し、それに直面している。

カンファレンスやミニプロジェクトを通して、実践家は常に現場の改善、ケアの改善を心がけており、研究的視点で実践の向上をめざしている。そこでいう“研究”が独りよがりのものであったり、既にエビデンスとして確立されているものであったりすれば、それに費やすエネルギーがもったいないが、そうでなければそれらをミニ研究として位置づけるには意味がある。ただし、ミニ研究が成果を挙げた暁には必ず社会の目に触れるようにすること。書き残すこと。そうでなければ、同じような労力が世界中で使われることになる。

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by admin|2007年11月09日 00:00|コメント (0) トラックバック (0)

「ダイアローグ:対立から共生へ、議論から対話へ」

(デヴィッド・ボーム著、金井真弓訳)英治出版 2007

 

「シンクロニシティ」とシンクロナイズされ同時発売された本。 本書の内容を象徴的に表す事例としては、20世紀を代表する2人の物理学者、アインシュタインとボーアの関係性(p.96-98)がわかりやすい。2人は学者として互いを尊敬し活発な議論を交わしてきた。しかし、アインシュタインは相対論、ボーアは量子論の見解を頑として譲ることができなかった。友好的に何度も議論を戦わせるが、妥協をみないとわかったとき、2人の間の溝は深まり対話はなくなった。 本書は、「一貫性のないこと:インコヒーレント」の真の理解が「一貫性のあること:コヒーレント」のさらなる真の理解につながることを述べている。先の2人の学者が、自分と相手とは異なる存在として認識することはインコヒーレントである。自分も相手も正しいという真実合戦を認めるとき、意味の共有は図れないとボームはいう。2人がここで対話を続けていけば、つまりそれぞれの真実の主張ではなく、自分たちの意見を保留して意味のコヒーレントを図る努力を続けていけば、相対論と量子論を越えた新しい理論にたどりつくこともありえたというのである。 世の中にみられる多様な見解について、人は新たな調和を求めようとするが、いったんコヒーレントな状態になると、そこにまたインコヒーレントに敏感な人が反応する。「コヒーレンスへの動きは人間本来のものと思われるが、思考のせいで混乱させられている。きわめてインコヒーレントな反応は、記憶のプログラムの中に存在する。それをどうやって突き止めたらいいのか、どんな意味があるのかわからない」(p.165

 ある価値観や真実(だと思われていること)に固執するというインコヒーレンスは危険だが、真のコヒーレントは暗黙の領域から生まれるという。ピーター・センゲの解説の言葉を借りれば、「核となる問題は、変化する世界の中での共存方法を我々が知らないということ」である。だからこそ、我々には意味の共有をはかるための議論と対話が欠かせない。

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by admin|2007年11月05日 00:00|コメント (0) トラックバック (1)

「シンクロニシティ:未来をつくるリーダーシップ」

(ジョセフ・ジャウォースキー著、金井壽宏監修、野津智子訳)英治出版 2007

 

 最初は、どこがリーダーシップの本だろうかと思った。著者の伝記として読めばそれはそれでおもしろいが、リーダーシップの本のつもりで読み始めたため、前半はぴんとこないことが多かった。しかし、後半にはいると、ジャウォースキーという社会起業家が、なぜ社会起業家に至ったのかが表題のシンクロニシティ(同時性・共時性)という言葉と実にフィットするようになり、これは社会的リーダーの話、世界の一体性をもたらすリーダーの話だということへの理解が進んだ。 Synchronicityは、リーダーズ英和辞典によると、共時性ともいい、ユングが提唱した概念となっている。「2つ以上のできごとが同時に生じ、意味のある関連があるようにみえていて因果関係が判明しない」という現象を説明するための原理だという。ジャウォースキーの意図とは別に、次々と起こる現象が、自分のなすべきこと、生きる意味を問うことにつながっていることに気づいたとき、彼はこれまでの生きかたをすべて変えた。次々と起こる現象の発端には、デヴィッド・ボームとの対話も含まれている。彼がボームから学んだのは、「すべての物質も宇宙も、絶えず動いている。私たちの目には見えないレベルで、完全な全体性すなわち「内蔵秩序」があり、そこから、分断しているように見える出来事が生じていく。すべての人類は、絶えず出現する完全な全体性の一部である。そして、人生における責任の一つは、心を開き、学ぶこと。それによって、新たに現れる現実を感じ、それを実現できるようになることである」(p.220)ということで、この学びから彼の人生にシンクロニシティが生じ始めたという。

彼の人生が特別なものだという読み方をすれば、小説で終わってしまう。しかし、彼に起きたシンクロニシティを通して、読み手が自らの世界観がどのように構成されているかに思い至ることができたなら、彼とのシンクロニシティをも感じられる本だと思う。

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by admin|2007年11月02日 00:00|コメント (2) トラックバック (1)