やらまい勝っちゃん

聖隷浜松病院副院長兼総看護部長 勝原裕美子のブログ

2007年12月20日

シーツ交換をしました

久しぶりにシーツ交換をした。

当院の定期シーツ交換日は木曜日。各職場からヘルパーさん(ヘルパーさんが出られないときには看護師)が出て、院内のほとんどの病棟のシーツ交換をしてまわる。看護部管理室からも4人の次長が交代でそこに加わり陣頭指揮をとる(私の前任者の畠中さんは、そこにローテーションで加わっていらした)。

次長たちがシーツ交換に入るのは、職場の様子や患者のケア度などが手に取るようにわかるからだという。きちんと管理されている職場なのか、スタッフの表情はどうかなどをわざわざ見たり聞いたりするのではなく、シーツ交換をしながら察知できるという。

ということで、いつか私もと思っていたシーツ交換に、本日編入させてもらったというわけだ。久しぶりのシーツ交換で、朝からそわそわしていたのだが、案の定、私が白衣を着て「シーツ交換に行く」というだけで「くすっ」と笑われたり、「腰痛めないでくださいねえ」と心配されたりと、すっかり新人扱いであった。

でも、新人扱いされる方が気楽なので、ひたすらヘルパーさんの指示通りシーツ交換をしまくった。あっという間に美しくベッドを仕上げるヘルパーさんのわざに感嘆していたら、「焦らず、ゆっくりやってくださいね」と優しく声をかけてもらえて嬉しかった・・・というコメントもやっぱり新人だなあ。

ということで、目の前のベッド作りに必死で、管理の視点で病棟をみる・・・という妙技にまでは行き着けなかったのであった。(少しはみましたが)

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by admin|2007年12月20日 20:09|コメント (2) トラックバック (0)

「マネジメントの探求」

(井部俊子著)2007年、ライフサポート社

このコメントは、「看護実践の科学」20082月号の「書評」欄に掲載予定のものである。 

饒舌ではないし、無口でもない。早口ではないが、遅くもない。でも、非常に特徴的な語りをされるのが著者の井部さんだ。一般的な人よりも思考時間を比較的長くとった後に、装飾語無しで本質的な言葉を繰り出す。強さがあって刺激的な発話だ。なぜ、そのような「言の葉」に至るのかといつも不思議に思っていたが、本書はそれを教えてくれた。

日常的に思考することが習性になっているのだ。

さまざまな現象に出くわしたり、他者との会話場面に位置したりするときに、何が本質的な事なのかをその日常の思考から引っ張り出して照合し、それを新しく思考に付け加えている。そのサイクルが強さを生みだしている。きっとそうなんだ!と本書を読んでそう思った。 「マネジメントの探求」は、そのタイトルどおり、著者がトップマネジャーとして何を探求してきたのか、どのように探求してきたのかが見えるように描かれている。マネジメントを思考するプロセスが実によくわかる。

本書では、著者が聖路加国際病院の看護部長に就任した1993年からそのプロセスを追うことになるが、一話完結の探求実績は実に135話に及び、2004年まで続くことになる。それは、井部俊子のlife historyの一部でもあり、看護界の歴史でもあり、そのときどきの世相を反映するものでもある。1993年に看護師になり、本書が発刊された今年、看護部長職に就いた私にとって、この歴史書は偉大な先輩による手引き書であり、自らのマネジメント思考のよき指南役である。

本書の最大の特徴は、連載の数々が年ごとの括りで巧みに構成されていて、先のような歴史書としての様相を見せていることだと思う。だが、それ以上に注目したいのは、各連載の記述の後に載っている数年経った後の井部さん自身の追記である。連載が書かれた当時の思い出やその後の経過報告が記されていることで、読者は3種類の楽しみ方ができる。つまり、最初は、連載が書かれた当時の著者のマネジメント思考を優れた筆力から純粋に楽しむことができる。次に、連載当時と追記が書かれた時期との隔たりとつながりについて著者の思考の完成度を確認できる。そして、最後に、本書を読んでいる読者自身のと本書を書いた著者との時間と空間の差を確認したり、その差を埋めていく作業ができたりする。だから、読者はこの素晴らしい歴史書を、15年前の話だなどと思わずに読むことができる。

このように書評すると、本書は堅苦しいというイメージを持たれるかもしれないが、まったくそんなことはない。マネジメントを探求するプロセスの中に、涙・笑い・怒り・喜びがたくさん散りばめられており、日本を代表する看護管理者のハートを感じながら読み進められるのだ。

あなたが管理者なら、ぜひ読んでほしい。 

 

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by admin|2007年12月20日 12:23|コメント (4) トラックバック (0)